「パイオニア・カーサウンドコンテスト」今年最高のカーサウンドはどれ?【カーナビ/オーディオ】

2007.09.15 自動車ニュース
今年は場所を変えて幕張メッセの1ホールを借り切って行なわれた。コンテスト参加車両は153台とこれまでで最多。
「パイオニア・カーサウンドコンテスト」今年最高のカーサウンドはどれ?【カーナビ/オーディオ】

【カーナビ/オーディオ】第11回「パイオニア・カーサウンドコンテスト」今年最高のカーサウンドはどれ?

カーサウンドのコンテストはいくつかあるが、その規模、歴史の点で図抜けた存在なのがパイオニアの「カーサウンドコンテスト」。今年も、北は北海道、南は九州、熊本まで、音が自慢のプロショップ91店が腕を競った。カーオーディオ評論家の石田さんと、さっそくハイレベルな音の世界を巡ってみた。

写真A:クァンタムのニッサン・デュアリス。内蔵アンプで慣らしているので、シンプルかつコンパクトにインストールが可能。サブウーファーも荷室に飛び出ていない。
写真A:クァンタムのニッサン・デュアリス。内蔵アンプで慣らしているので、シンプルかつコンパクトにインストールが可能。サブウーファーも荷室に飛び出ていない。

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■ビギナーにも親しみやすい「内蔵アンプクラス」が新設

──このコンテストは「音の文化創造」をコンセプトに、競技を通じてショップの取り付けや調整技術の向上を図る目的で続けられてきたものです。 昨年まで静岡県つま恋で行われていたんですが、11回目の今年は幕張メッセに移りましたね。ほかに、なにか変わったことあるんですか?
石田:カテゴリー分けが変わりましたね。昨年までは、カロッツェリアの最高峰オーディオ「xシリーズ」を搭載したクルマを、デジタルプロセッサー内蔵アンプ「RS-A9x」使用の「ピュアデジタルクラス」と、デジタルプロセッサー「RS-P90x(P70xなど前のモデルを含む)」使用の「デジアナクラス」の2つに分けていました。

──5.1chサラウンドシステム搭載車の「カーシアタークラス」というのもありましたね。
石田:そうです。その3つのカテゴリーが今年は、ピュアデジタルクラスとデジアナクラスを統合して、「カロッツェリアxクラス」となりました。
代わりにカロッツェリアxクラスとカーシアタークラスにはそれぞれ、ディーラーデモカー部門とユーザーカー部門を用意。ユーザーのクルマも参加OKになりました。でも、ユーザーが個人でエントリーすることはできないんです。まあ、昨年までもユーザーのクルマで出場していたショップもありましたが。それと、内蔵アンプクラスが新設されたのが、大きな違いですね。

──内蔵アンプクラスですか! これまでこのようなコンテストを見学したことは何回かあって、確かに音はどれも素晴らしいんだけど、システムや取り付けが凄すぎて、あまり現実味がなかったんですよね。デッキの内蔵アンプを使ったシンプルなシステムなら、現実味がでてきますね。
石田:そういうと思った。では、今回は内蔵アンプクラスのクルマを中心に見ていきましょうか。いちおう内蔵アンプクラスといっても、サブウーファーの追加はOKで、サブウーファーを鳴らすためのパワーアンプは使えます。
では、「日産デュアリス」から聴いてみましょう(写真A)。製作ショップは茨城の「サウンドステーション QUANTUM」です。

写真B:アンティフォンの「ホンダ・バモス」。こちらも車に負担をかけないインストールを実行。2DINの下側に入っているのが「DEH-P910」。上はナビのインダッシュモニターを収納したところ。
写真B:アンティフォンの「ホンダ・バモス」。こちらも車に負担をかけないインストールを実行。2DINの下側に入っているのが「DEH-P910」。上はナビのインダッシュモニターを収納したところ。

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■音の善し悪しはインストーラーの腕次第

──うわっ! スゴイ! まるでカーオーディオって感じがしないですね。家のオーディオの特等席で聴いている感じ。この課題曲「EVIDENCE」(アイデア・オブ・ノース)は、メンバー4人がほんとにそこにいて唄っているように錯覚してしまいます。他の課題曲、ブライアン・ブロンバーグのベースも、相変わらずブンブン唸っていて、サブウーファーが後ろで鳴っているような違和感も感じない。内蔵アンプでも、こんなにいい音で音楽が聴けるんですね。
石田:このクルマに付いているデッキは、インダッシュモニター内蔵の「AVH-P900DVA(23万1000円)」で、デジタル調整のタイムアライメント、イコライザー、クロスオーバー機能を搭載しています。この調整と取り付け技術が優れているんでしょうね。

──これなら欲しい! いくらかかるんです?
石田:え〜と、お店に聞いてみたところ、商品代が約50万円。取り付け費がケーブル等すべて含めて約30万円だそうです。つまりトータル80万円。

──80万円かぁ……、もうちょっとお安くならないものですかね。
石田:工賃って、高く感じますよね。でも、けっして高くはないと思いますよ。というのも、スピーカーは、しっかりと取り付けないと性能を引き出せないんです。
ホーム用のスピーカーと比べてみればわかりやすいと思いますが、ホーム用のスピーカーは箱(エンクロージャー)に組み込まれた形で売っています。対してカー用は、スピーカーユニット剥き出し。つまりショップは、箱で鳴らすのと同じような状態をドアに作る作業をしているわけです。
しかも、ホーム用のスピーカーだって、同じユニットを使っているのに、一方は10万円、かたや100万円ということもあるわけですよ。この価格差は、どれだけ箱にコストがかかっているかなんですね。

写真C:スーパーオートバックス東京ベイ東雲のメルセデスCクラス。同じくヘッドユニットの内蔵アンプで慣らしながらもスピーカーには上級の10RSシリーズを使用。仕上がりもGOOD。
写真C:スーパーオートバックス東京ベイ東雲のメルセデスCクラス。同じくヘッドユニットの内蔵アンプで慣らしながらもスピーカーには上級の10RSシリーズを使用。仕上がりもGOOD。

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──ドアの加工に90万円かかってもおかしくないんですね。
石田:ま、それは大げさですが。カースピーカーを取り付けるのにかかるコストは、大きなところでデッドニング、それにバッフル製作、トゥイーター取り付け部のパネルやドアパネルの加工といったところです。
デッドニングとは、ドアの鉄板などの振動を抑える作業。これをやらないと、スピーカーから出た音の圧力で、ドアの鉄板などが振動し、スピーカーから出る音を濁してしまいます。バッフルはスピーカーをドアに固定するための板の製作。個々のクルマの形状と使用ユニットに合わせて作るので、すべて手作業。手間がかかります。

──あっ、工賃が高いから一瞬、自分で取り付けようと思いましたが、話を聞いたら無理だぁ。
石田:たとえば、デッドニングが片側のドア4〜5万円として、両ドアで8〜10万円。バッフル製作が片ドア2〜3万円として両ドアで4〜6万円。
トゥイーターやドアパネルの加工が、1カ所に付き1〜2万円として4〜8万円。それに、スピーカーケーブルがデッキの裏からドアまでトゥイーター/ウーファー用に各2本ずつ。
あとサブウーファーとサブウーファー用アンプがラゲッジルームにあるから、インパネ裏からラゲッジルームまで引く4〜5mほどのラインケーブルとアンプ〜サブウーファーまでのスピーカーケーブル。サブウーファーの箱の製作とラゲッジフロアのパネル加工。それらの技術と労力を考えると、30万円ってけっして高くないと思いますよ。

──うん。聞いてると安く思えてきた。自分じゃできないし、たとえ自分で取り付けたとして、こんなにいい音を出せる自信ないですもん。
石田:まあ、あくまでもデュアリスで、同じシステムを同じように取り付けた場合の金額ですけどね。クルマによっては取り付けが難しいものもありますから、参考ということで。
では次。「サウンドステーション AV Kansai 神戸」の「ダイハツ・ムーヴ」行きましょうか。

写真D:ライズ・オーディオ・ビジュアルの「トヨタ・タンドラ」。トラックは意外とオーディオの置き場に困るもの。小物は置けなくなったが、センターコンソールにきれいに収まっている。
写真D:ライズ・オーディオ・ビジュアルの「トヨタ・タンドラ」。トラックは意外とオーディオの置き場に困るもの。小物は置けなくなったが、センターコンソールにきれいに収まっている。
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■内蔵アンプでホームオーディオ以上の音が!

──軽自動車なのに、音楽が聞こえた瞬間に室内の狭さが気にならなくなりますね。音場が広いというか。音色も自然な感じがします。とっても心地いい。

では次。同じ軽自動車ですが「ホンダ・バモス」。お店は金沢の「アンティフォン」です(写真B)。

──これまでのクルマとデッキが違いますね。CDメインユニットの「DEH-P910(7万8750円)」ですか。デッキが「AVH-P900DVA」より15万円ほど安いので、総額は安くおさまりますね。これ、前の2台とスピーカーは同じですが、音の傾向が違いますね。引き締まっているというか、シャープな感じがします。これもいい。
石田:「DEH-P910」は、「AVH-P900DVA」より、さらに細かい調整ができるんです。このクルマのクロスオーバーは、すべて−36dB/octという急峻なスロープで調整したとのこと。音がシャープと感じたのは、その辺の違いじゃないですか。

次は輸入車いきましょうか。「スーパーオートバックス東京ベイ東雲」の「メルセデスベンツC240」(写真C)。

──オートバックスだと輸入車お断りだと思っていましたが、そんなことはないんですね。
石田:(ムッとして)いったい何年前の話ですか。いま、スーパーオートバックスは、オーディオのカスタマイズに力を入れていて、輸入車を扱ってくれるお店も増えています。とくに東京ベイ東雲店は、かなりスキルが高いですよ。

──これは、スピーカーがこれまでと違うんですね。なんか音のキレがいいような気がします。
石田:これまで聞いたのは「PRSシリーズ」というスピーカーでしたが、こちらは上級の「10RSシリーズ」というスピーカーです。こちらのほうが能率が高いので、内蔵アンプでも鳴らしやすいかもしれません。とてもレスポンスのいい音ですよね。

では次、トラックいってみましょうか。製作は奈良の「RISE Audio Visual」(写真D)。

──凄い。センターコンソールにサブウーファーやアンプを組み込んでるんですね。なんか、これまでと音の傾向がまったく違います。広がり感は無いけど、マッチョな音というか、クルマに似合った音ですね。

写真E:カロッツェリアxクラスで優勝したCarAudioProShop エモーションのプジョー307SWはカロッツェリアの最高峰製品を惜しみなく使い、その持てる力を存分に引き出した。
写真E:カロッツェリアxクラスで優勝したCarAudioProShop エモーションのプジョー307SWはカロッツェリアの最高峰製品を惜しみなく使い、その持てる力を存分に引き出した。

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■今年栄誉をつかんだショップの音にただ唖然

石田:では、カロッツェリアxクラスも見てみましょうか。デモカー部門の優勝は、福岡の「CarAudioProShop エモーション」の「プジョー307SW」(写真E)。パチパチパチ。

──去年に引き続き2連覇ですか。音はどうなんでしょう。
石田:聞くと圧倒されますよ。へたなホームオーディオも顔負けというほど、音場の再現性が素晴らしく、ワイドレンジ、高解像度の典型という感じ。システムは昨年と同じだから、スピーカーがこなれて、ややマイルドになっているようです。あと、3位に入った名古屋の「コルトレーン」のアルファ156も素晴らしいですよ(写真F)。

──これまで聞いたクルマはすべてサブウーファー付きでしたが、このクルマはないんですね。でも低音も十分に重心が低い感じがするし、音がすごく生き生きしている。このスピーカー、カロッツェリアじゃないみたいですが、これもいいのかな?
石田:イタリアの「ハーツ」というブランドです。オーディソンというアンプの姉妹ブランドですね。とってもウェットで日本人が好む音色のスピーカーですね。イタリア車にイタリアのスピーカー、それに動力性能を考えてシステム重量をなるべく抑える。アルファに似合うシステムだと思います。

(文と写真=石田 功)

第11回「パイオニア・カーサウンドコンテスト」の結果はこちら

写真F:老舗ショップ、コルトレーンはアルファ156にイタリア製のスピーカーを付けてコンテスト参加。他メーカーの製品の参加を認め、いい音ならきちんと評価する度量の広さもパイオニアならでは。
写真F:老舗ショップ、コルトレーンはアルファ156にイタリア製のスピーカーを付けてコンテスト参加。他メーカーの製品の参加を認め、いい音ならきちんと評価する度量の広さもパイオニアならでは。

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