第139回:新春、輸入車チョイ乗りリポート 〜いま『webCG』が気になるクルマはコレ!(その2)

2012.03.16 エッセイ

第139回:新春、輸入車チョイ乗りリポート〜いま『webCG』が気になるクルマはコレ!(その2)

第139回::新春、輸入車チョイ乗りリポート 〜いま『webCG』が気になるクルマはコレ!(その2)

2011年の新車登録台数が前年を13%上回った、海外メーカーのインポートカー。今、どんなモデルが狙い目なのか? JAIA(日本自動車輸入組合)主催の試乗会に参加した『webCG』スタッフが、“一押しモデル”を価格別に紹介します。

【400〜600万円ならコレ】
国産車なら、かなりの“いいクルマ”が買える、このクラス。輸入車もまた、SUVやオープンカーなど、自己主張の見えるモデルがちらほらと……さて、以下の5台はいかがでしょうか?

控えめなのがうれしいBMW X1 xDrive20i M Sport……424万円

どんな人が乗るんだろう? 初めて見た時、そう思った。背の高いワゴンというか、背の低いSUVというか、他にあまり見かけないカタチ。あえて言えば、初代の「スバル・フォレスター」?

名前は「X1」だけど「3シリーズ(E90)」がベース。サイズは「フォルクスワーゲン・ティグアン」とほぼ同じだ。なかなか立派に見える。ただし全高は1545mmと、ぐっと低い。都市部のユーザーにとっては大事なポイントだろう。タワーパーキングの多くが利用可能となるからだ。

乗りこむと、ステアリングホイールの小ささに驚いた。握りもぶっとい。ルックスとは異なるスポーティーな運転環境がそこにある。乗り心地は……「M Sport」のせいか、硬い。路面の凹凸に従って、体が上下に揺さぶられる。8速まであるATは回転をあまり上げず、積極的に高めのギアを選ぶ。省燃費にも前向きだ。

つまるところ「X1」は、生真面目なBMWである。見た目の頑張りは足りないけれど(?)、居住性にも実用性にも、環境にも配慮がある。スポーティーさの演出にも抜かりはない。だけど生真面目さゆえか、存在感が控えめなのだ。BMWには珍しく、奥ゆかしい雰囲気がうれしい。

(webCG こんどー)

あたらしいボルボボルボS60 T6 AWD SE……519万円

“いいヒト”を売りにしていたボルボが、近年、体を鍛えはじめた。「ボルボS60」は、それを象徴する体育会系ボルボである。「ボルボ史上最もスポーティーでダイナミック」とメーカー自身がうたうとおり、見ても乗っても楽しめる“スポーツセダン”になっている。

3リッター直6エンジンは、パワフルでスムーズ。ハンドリングも穏やかさと正確さを兼ね備えたもので、走りを自在にコントロールできる。

乗り心地の良さも美点のひとつだ。以前から定評のあったシートの素晴らしさは、このS60にも受け継がれている。サスペンションも見事な働きで、ドライバーの疲労軽減に貢献する。自動ブレーキシステム「シティ・セーフティ」「ヒューマン・セーフティ」を備えるなど、安全面においてもトップクラスの充実度……と、ほぼ死角の見当たらない「S60」。

“欠点の少なさ=魅力”とはならないのが、プレミアムマーケットの難しさなのだろうが、このボルボの最新セダン、長く乗れば乗るほどに味わいの増す一台であることは間違いない。

(webCG こんどー)

コワモテですが……フォルクスワーゲン・シロッコR レカロ……533万円

「シロッコR」ほどの“ロケット”になれば、やはりシートにはコダわりたいところ。クルマが隠し持つ荒々しいパワーを掌中に収め、正確にコントロールするためには、ドライバーの軸がブレてはならないからだ。

その名のとおり、このモデルの売りはレカロの立派なスポーツシートを標準で装着すること。ドライバーをガチッと押さえつけることができたためか、タイヤも235/35ZR19(ノーマルのシロッコRは235/40R18)サイズへと、いちだんとアグレッシブになっている。100台の限定車である。

アダプティブシャシーコントロールの“DCC”を「スポーツ」モードにして走りだすと、想像どおり、乗り心地はゴツゴツと骨っぽい。しかし、ダンパーの微小域のストローク感がとてもなめらかで、そこはかとないイイモノ感が漂っているのを見逃してはならない。そして「コンフォート」に切り替えると、思いのほか文化的で快適な乗り心地に。見た目よりずっと守備範囲、いや“攻撃”範囲が広いクルマと見た。

(webCG 竹下)

ザ・ガイシャ!フォード・マスタングV8 GTコンバーチブル プレミアム……570万円

外車の歓び、ここにあり! これぞ、ガイシャ。「ザ・ガイシャ」。

どこがって? 彫りの深いハンサム顔で、デカくて、赤くて、革装で。お約束の左ハンドル。トルキーなV8エンジン(418ps、53.9kgm)。極めつけは、オープンカーであること。これほど「日常」と対極にある、ハレの気ムンムンなクルマ、おいそれとありましょうや!?

ヨンララ、ヨンララ道を流せば、脳内すっかりリラックス。屋根が無いのは数あれど、“おおらかさ”まで持ち合わせるのは……実はいま、少ないんじゃないかと思う。ひたすらスポーティーなのばっかりで。「露天風呂なだけじゃない。その泉質が、湯加減がいいんだ」って例え、伝わりますか、どうか。

メーター上の最高速(260km/h)は、何だかとってもウソくさい。でもルーフはオート(14秒)で開閉できるし、安全装備もてんこ盛り。必要なときは4人乗れるし、ルーズに乗ってもサマになる。

欲を言うなら――現実に戻って恐縮ですが――うんとお安いV6モデル(2011年6月に限定発売。505万円)も、復活させてほしいところではある。

(webCG 関)


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(写真=峰昌宏)
(写真=峰昌宏)

欧風なタッチジープ・グランドチェロキー オーバーランド……578万円

「オーバーランド」とは、聞き慣れぬグレード名だ。つまりは、従来の上級モデル「リミテッド」をベースに、装備をさらに充実させた仕様のことで、去年の12月にカタログに加わったばかり。豪華な「新顔」である。軍用ジープを開発した、かつてのウィリス・オーバーランド社にちなんでいるらしい。

ステアリングとインテリアトリムにウッドがあしらわれ、室内はぐっとラグジュアリーな雰囲気に。一方、後席では、映画を見るのによさそうな大きな液晶パネルが天井から現れるようになっている。そしてホイールが20インチになるのも、このモデルならでは。ちなみにテスト車には、クムホ・ソルウスKL21という、これまた聞き慣れないタイヤが付いていた。

“プレミアムSUV”は日独の十八番(おはこ)だが、なになに、最近はアメリカも負けていない様子。最新のグランドチェロキーが持つ感触はかなり欧風で、まずステアリングが正確。ターンインが軽く、思いのほかシャープでもある。そして乗り心地がセダンのようにやさしい。今やぜいたくな3.6リッターV6エンジンは、下からリッチなトルクがあって、クルージング時は静か。それでもって、クムホタイヤも十分に静か。かつてのワイルドなグラチェロは昔になりにけり、だ。

(webCG 竹下)


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