【スペック】全長×全幅×全高=4860×1935×1765mm/ホイールベース=2935mm/車重=2130kg/駆動方式=4WD/3リッター直6DOHC24バルブ(272ps/6650rpm、32.1kgm/2750rpm)/価格=753万円(テスト車=895万1000円)

BMW X5 3.0si(4WD/6AT)【ブリーフテスト】

BMW X5 3.0si(4WD/6AT) 2007.09.11 試乗記 ……895万1000円
総合評価……★★★

7年の歳月を経てフルモデルチェンジした「X5」。ボディが拡大された新型はどんな走りをみせるのか。3リッターのベースグレードを島下泰久が試す。

BMW X5 3.0si(4WD/6AT)【ブリーフテスト】

得たモノ、失ったモノ

思えば初代「X5」のデビューは衝撃的だった。そのたたずまいはクールだったしフットワークもキレ味抜群で、この手のクルマで初めて「欲しい!」と強く思ったのを覚えている。
その初代モデルが大ヒットとなっただけに、新型X5のエクステリアは従来とそれほどイメージを変えていない。しかし近づいていくにつれて、その質量の大きさが醸し出す迫力に圧倒されることになる。何しろ、そのボディは全長で195mm、全幅で65mmも拡大されているのである。張り出したフェンダーや盛り上がったボンネット、鋭い目つき等々のディテールも相まって、威圧感は物凄い。

このサイズアップは、アメリカ市場の要望に応えて3列シートを成立させるためのものだ。ミニバンが衰退したアメリカでは、今や3列シートSUVがホット。この分野の先駆者であるBMWは、それを見越して「X3」を先代X5並みのサイズで出しておき、そしてX5の大型化を図ったというわけだ。しかし、それは日本のユーザーにとってはあまり嬉しい話ではない。ここまで来ると、もはや使い勝手に関してはネガな部分の方が目立ってしまうだろう。

一方、走りっぷりに関しての印象は、良くも悪くも先代と大きくは変わらなかった。相変わらずSUVとは思えないほどよく走り、よく曲がる。しかし、率直に言って初代のような驚きはないのも事実。これだけ大きくなっても変わらないのは見事ともいえるが、今や「アウディQ7」や「ポルシェ・カイエン」など、負けずにスポーティで、なおかつ快適性にも秀でたライバルも存在している。端的に言えば、それらに対する“後発ならではの優位性”には乏しい、ということである。

僕があの時、勢いで先代モデルを本当に手に入れていたなら、そして3列シートの必要性がなかったなら、新型にはきっと買い替えないと思う。少なくとも日本の街での使い勝手に優れ、それでいて得られるものにほとんど違いはないからだ。

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