第79回:不幸にならないクルマ選び(前編)

2007.09.01 エッセイ

第79回:不幸にならないクルマ選び(前編)

フランスでつくられたフォルクスワーゲンの広告は、日本人には考えられないほどブラック、かつストレートな表現が用いられる。その内容とは……。

クルマが売れない……

これらは、フォルクスワーゲンの広告である。制作者は「VWとは違うタイプのクルマの価値について、表現しました」とコメントしている。しかし、登場するのはVW製ではないクルマばかりだ。いったいなぜか?
よく見ると、いずれのクルマにも“FOR SALE”の札。すなわち、「売りたし」というサインが貼られている。といっても、どれも売れそうにない中古車で、買いてがまったくつかない状態のようだ。

1つ目は、蔦が伸びてきてクルマにからみついている。よほど長い間売れ残ったのだろう。

2つ目は、ショッピングセンターの広い駐車場に、たった1台取り残されたクルマ。持ち主だろうか、クルマの横でキャンプをはって買い手を待っている、という図である。

VWがなにを主張したいのか、なんとなくおわかりだろうか? しかし、3つ目の広告は、かなりショッキングなものなのだ。(続く)

Volkswagen/Paris
アートディレクター:Hugues Pinguet
コピーライター:Olivier Apers
フォトグラファー:Gimblin & James
エージェンシー:Louis XIV DDB, Paris

(文=金子秀之/2004年1月24日)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。