第71回:「ベスパ」のつぶやき(その1)

2007.09.01 エッセイ

第71回:「ベスパ」のつぶやき(その1)

イタリア生まれのオシャレなスクーター「ベスパ」が、アメリカン・マッチョのハーレーダビッドソンに、ウィットに富んだつぶやきをもらす。一連の広告シリーズをお送りする。


第71回:「ベスパ」のつぶやき(その1)

「ハーレーダビッドソン」を“バイクの横綱”とするなら、「ベスパ」は“小結”くらいかもしれない。車体の大きさはもちろん、エンジンの音といい馬力といい、ハーレーのほうが一枚も二枚も上手である。比較広告なら、ベスパがハーレーをガンガン攻撃するところだ。
しかし、そこはイタリア生まれの“シャレ者”ベスパさん。四つに組んだら勝負にならない。かといって、無視することもできないので、相手を意識しながらつぶやくのである。

スクーターだもん

「A hog for you temporary-tattoo type.」
〜インスタント入れ墨ビッグバイク〜

「temporary-tatto」とは、シールを貼り付けたり、ペイントして、消すことができる入れ墨のこと。手軽に楽しめるインスタント入れ墨である。
「hog」は、豚とか機関車を意味する単語だが、大型オートバイ「ハーレーダビッドソン」や、高級サルーン「キャディラック」もこう呼ばれる。

この広告は、ハーレーに乗る人はホンモノの入れ墨をしている人がいるけれど、ベスパはシールのタトゥーを貼って乗っている「オシャレなスクーターだもんね」というニュアンスだ。

Vespa/USA
アートディレクター:Bob Gates
コピーライター:Marty Senn
エージェンシー:Mullen、Wenham/Massachusetts

(文=金子秀之/2003年11月)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。