第49回:『南アフリカ、Cクラスの広告』

2007.09.01 エッセイ

第49回:『南アフリカ、Cクラスの広告』

南アフリカでつくられた、メルセデスベンツ「Cクラス」の広告。とても単純だが、わかりやすくて微笑ましい作品である。

バスが傾く!?

南アフリカ、ヨハネスブルグの大通り。大型バスが傾いて、倒れそうになっている。道路が陥没でもしたのか? と驚く図であるが、よく見るとメルセデスベンツ「Cクラス」が駐車していて、それを見ようとする乗客が片側の窓に寄ったためだとわかる。なんとなくマンガ的で、子供っぽいといえなくもないが、この単純さが受けるのだろう。歩道を行く人たちのしぐさもいい。南アフリカで行われた、メルセデスベンツの新型車キャンペーンの一環である。

コンピューターグラフィックスのおかげで、写真はどのようにでも加工できるようになったが、やはり大事なのはセンスである。この広告は誇張もほどよく、ユーモアになっていて、見るものの頬をゆるませる。印象に残るこの作品は、作り手のセンスが光っているといえよう。「Cクラスでバスが傾くほど見るかな?」と言った人がいるが、バスに乗る庶民だからこそ、Cクラスは“憧れの的”なのだ。

(2003年6月7日)

Mercedes-Benz C Class/South Africa
クリエイティブディレクター:Rajesh Ranchod/Cal Bruns
コピーライター:Michael Yee
アートディレクター:Michael Martin
フォトグラファー:Stephen Goldberg
エージェンシー:Sonnenberg Murphy Leo Burnett/Johannesburg

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。