第39回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その5)

2007.09.01 エッセイ

第39回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その5)

2002年の「カンヌ国際広告祭」、フィルム部門で銀賞を受賞した、トヨタ「カローラ」のCMと、カローラの戦略を紹介する。登場する女の子のセリフが、ちょっと衝撃的です。

学校が終わり、一斉に走り出てくる子供達
第39回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その5)
子供を待つカローラに、1人の少女が駆け込む
第39回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その5)
他人に乗り込まれ、コマッタお母さん「あなた誰?」。すると……
第39回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その5)

カローラの戦略

カローラの戦略は、消費者の意識、ひいてはトヨタにタイする意識を根本的に変えること。それはカローラを、このセグメントで最も愛されるクルマにすることだ。これまでカローラの購入など考えてもみなかった人々が、“指名買い”するまで動機づけるプライドと、誇りをもたせることである。
この情感があらゆるメディアに徹底されれば、キャンペーン期間を超えても効果が持続するだろうし、最終的にカローラのエッセンス(真髄)となるであろう、と考えたのである。

作品:トヨタ カローラ「School」

下校のベルとともに、お迎えに来た親元へ一斉に走り出す小学生たち。1人の少女が、他人のカローラに乗りカージャックする。

お迎えの母親「あなた誰?」
少女「黙って、走って」

字幕スーパー「新しいカローラ。誇りに思えるクルマです」

子供でさえ、乗りたくなるクルマと訴求する。

【カローラCM「School」】
TOYOTA COROLLA “School”/UK
クリエイティブディレクター:David Droga
コピーライター:Jo Stanford/Brett Salmons
アートディレクター:Brett Salmons/Jo Stanford
プロダクション:OUTSIDER/London
ディレクター:Dom&Nic
エージェンシー:Saatchi&Saatchi/London

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。