第35回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その1)

2007.09.01 エッセイ

第35回:『2002年カンヌ国際広告祭』(その1)

素晴らしい映画が賞を受けるのと同様、優れた広告はコンクールや広告祭で賞賛され、賞を受ける。2002年、トヨタ自動車と日産自動車が、「カンヌ国際広告祭」で仲良く賞を受けた。どんな内容の広告か? 海外で認められる広告とはどんなものか? 是非ご検討ください。


第35回『2002年カンヌ国際広告祭』(その1)

日本勢は不調

毎年5月に開催される「カンヌ映画祭」といえば、かずかずの日本映画が受賞した映画コンクールとして有名だが、その1ヶ月遅れの6月下旬に同じカンヌで、「カンヌ国際広告祭」というのが開催されるのを、ご存じでしょうか? 1993年、日清「カップヌードル」がグランプリを受賞した後の日本勢は不調で、日本商品の広告は大賞から長いこと見離されていた。
「日本のCMは15秒が主体で、この短い秒数のなかに、広告主の事情もあってアレコレと詰め込む。その結果、何を伝えたいのかサッパリわからないCMが増えてきた。これが賞をとれない大きな原因です」という、広告関係者の指摘。これもバブルの後遺症か。

近年にない快挙

ところが2002年の「プレス&アウトドア部門」(印刷媒体)で日産自動車が金賞2つ、フィルム部門でトヨタ自動車が金、銀、銅賞、各1本づつ受賞し、近年にない快挙を成し遂げたのである。日産はピックアップ、トヨタは金賞と銅賞がセリカ、銀賞がカローラだ。ただし、日産はフランスの広告代理店TBWA、トヨタはアメリカとイギリスのサッチ&サッチ社が制作したものである。ギミックの面白い日産のピックアップと、ユーモラスなトヨタ・セリカ&カローラの作品を、全6回にわたって紹介しよう。

(2003年3月1日)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。