第25回:『伝統と革新、ハーレーダビッドソンの広告 その2』

2007.09.01 エッセイ

第25回:『伝統と革新、ハーレーダビッドソンの広告 その2』

「伝統」と「革新」という2つのテーマでつくられた、ハーレーダビッドソンの広告。前回の「革新篇」に続き、今回は「伝統」バージョンをご紹介します。

Concrete is so temporary
-コンクリートなんて、はかないものさ-

コンクリートの建物といえば、数十年はもちろん、頑丈なイメージから半永久的に長持ちするくらいに思うもの。ところがこの広告は、ハーレーダビッドソンと比較して、「コンクリートなんて、はかないモノさ」といってのける。

「時が経っても壊れないものがある。ハーレーのフロントフェンダーデザイン、ガソリンタンクのライン、エンジン音。
わが社がオートバイをつくるとき、どの時代にもマッチするようにつくる。今日でよいものは、50年先でもよいものだという信念。使い捨ての世界では、そこにこそ大きな価値がある。伝統は、走り続ける。」

ハーレーダビッドソンの信念と較べれば、「頑丈なコンクリートなんてはかないもの」と、取り壊し中の建築物を前に堂々と述べる。ちょっとオーバーだが、おもしろい広告である。

Harley-Davidson “Concrete is so temporary”/USA
アートディレクター:Paul Asao
コピーライター:Jim Nelson
フォトグラファー:Paul Wakefield
広告代理店:Carmichael Lynch/Minneapolis

(2002年12月14日)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。