第23回:『クルマに住むワケ』

2007.09.01 エッセイ

第23回:『クルマに住むワケ』

世の中にはいろんな方がいらっしゃる。ここで紹介するお三方は、クルマに住み着いてしまった人達だ。といっても、キャンピングカーやトレーラーに住むワケじゃない。一体どんな生活を送っているのだろうか? パイオニア、シンガポールの広告から。

1)まるでホテルの部屋のように、「Don`t Disturb」(起こさないでください)の札を、ドアノブにかけて睡眠中。

2)窓にカーテンをかけ、窓辺に花を飾り、暮らしに彩りを添える……。クルマなんだけど。

3)ドアの前にウェルカムマットを敷き、郵便ポストには新聞が。とっているのか?

なぜクルマに住みたいのだろうか。その理由がヘッドコピーに述べられる。
曰く、「あまりに音がいいので、クルマから離れたくない」
これは、パイオニア・カーオーディオ広告で、もちろんフィクション。だが、一度やってみたいと、思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それにしても、豪華な(マニアックな?)クルマばかりである。赤いコーベット、黄色いスチュードベーカー、そして黒いデュース(32年型フォード)のストリートロッド。車種選定もさることながら、それぞれと背景との組み合わせが絶妙である。ビジュアル的にすぐれており、小さな文字で書かれたコピーを読んで、初めてカーオーディオの広告とわかるわけだ。
見る人を「ヤラレタ!」と思わせる広告である。

Pioneer Car Stereo/Singapore
クリエイティブチーム:Richard Copping/Rodd Chant
フォトグラファー:Stephen Stewart
エージェンシー:Batey Ads/Singapore

(2002年11月30日)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。