第16回:『スバル、スペインでの広告』

2007.09.01 エッセイ

第16回:『スバル、スペインでの広告』

今回は、スペインでのスバルの広告。スバルといえば、水平対向エンジンと4輪駆動で有名。4WDの良さをちょっとひねって、写真で訴求しています。

2本より4本脚

一見、普通の街角スナップ写真である。でもこれは広告なのだから、なにか変わったトコロでもあるのだろう。間違い探しのパズルでも解くような気持ちで見てみると、どうも真ん中のベンチが怪しい。脚が2本折れたのか、傾いている。その下の小さな字を読むと、

「To stick best to the groud、four is better than two.」
地にしっかりと安定させるには2本より4本脚がいい

と訴えている。やっぱりベンチのことかと思いながら下に目をやると、答えがあった。「スバルは All wheel drive.」。そう、スバルのお家芸といえば、4輪駆動だった。

つまり、2輪駆動より4輪駆動のほうがいい、と主張しているのだ。しかし、ここにたどり着くまでのなんとまわりくどいことかと、多くの日本人は考えるのではないだろうか。この広告は、スペインでつくられた広告である。

もうひとつの室内の写真も同じ。アーティスティックな写真に演出しているが、手前の椅子が倒れていることに狙いがある。それに気が付く人は、どれくらいいるだろうか?
日本のクルマも世界のあちこちで、その国にあわせた演出がなされているのである。これも、広告のおもしろさの1つであろう。

SUBARU “All wheel drive”/Spain
クリエイティブディレクター:Goya Valmorisco
コピーライター:Alfredo Negri
アートディレクター:Sebastian De La Serna
フォトグラファー:Angel Alvarez
広告代理店:De Federico Valmorisco Y Ochoa S.A./Madrid
(New York Festival 2000 Finalist)

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金子 秀之

金子 秀之

早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。