新型「三菱ランエボX」、走る!(前編)

2007.08.19 自動車ニュース
ランエボXと目される「三菱コンセプトX」の走り。
新型「三菱ランエボX」、走る!(前編)

新型「三菱ランエボX」、走る!(前編)

アメリカやドイツのテストコースに、「三菱ランサー・エボリューションX」のテスト車両が現れた。米国で公開されたスパイビデオから、その仕上がりを分析する。

■次期型ランエボを徹底分析

「スバル・インプレッサSTI」とほぼ同時期、ドイツはニュルブルクリンクのノルトシュライフェ(北コース)に、「三菱ランサー・エボリューションX」のテスト車両があらわれた。米国大手自動車ウェブサイトで、そのスパイビデオがさっそく公開され、先にスクープされたライバルの「スバル・インプレッサSTI」とどちらが速いのかと注目を集めている。
筆者は『webCG』にて、先にインプレッサSTIの走りを予想した。今回はエボXの乗り味&走り味を予測してみたい。

要素となるのは、以下の通り。
・2007年のデトロイトショーで、エボXの最終コンセプトモデル「コンセプトX」が世界発表された際、三菱自動車関係者から聞いた開発に関するエピソード。そのほか、日米欧での各種ランエボ取材体験。
・米ロサンゼルスでテストで試乗した三菱ランサー(日本名:フォルティス)の北米スポーティグレード「GTS」のインプレッション。
・米国大手自動車ウェブサイトで公開された、カリフォルニア州内のウィロースプリングス・ショートコースやデスバレー、さらにドイツのニュルブルクリンクを走行するスパイビデオ映像。
などである。

■ドイツ車さながらの走り

エボXを含めた新型ランサーのエクステリア&インテリアデザインは、アウディを筆頭とするドイツ車を意識している。(エクステリアには、さらにイタリアンテイストも感じられるが……)。
その走りは、“ズッシリ系”……ひとことで言うなら、ドイツ車的だ。実際、北米ランサーGTSで走り出して最初に筆者の口から出た言葉は「おぉー、ドイツ車っぽい!」だった。エボXが、GTSよりさらに上級かつスポーティな乗り味になるのは当然だ。
すなわち、エボXの乗り味のイメージは歴代ランエボとはかなり違う。
三菱の開発関係者は「(これまでのランエボの開発のひとつの指標であった)筑波サーキットでどれだけ速いかは、まったく気にしていません」「(前モデルより大柄になった分)車重は当然増えるでしょうが、我々が目指したのは、大人が十分に楽しめる乗り味です」と証言している。

■さすがの「ビルシュタイン」&「S-AWC」

デスバレー周辺市街地を走行しているシーンがある。その際の足まわりの動きは、「サスだけが無理矢理突っ張って硬い」というような安っぽいイメージではない。高いボディ剛性も想像させる。実際、ノーマルのランサーで前モデル比、ボディのねじり剛性は56%アップ、同じく曲げ剛性は50%もアップしたという。
ニュルや、ウィロースプリングス・ショートコースでも、サスの動きには唐突なところがまるでない。ジンワリと動いている。これは、ACD、AYC、ABS、ASCを総合制御しているS-AWC(スーパー・オールホイールコントロール)の優位性もさることながら、ビルシュタイン製ショックアブソーバーがさらに熟成された証明であろう。
ランエボが“ビル足”にスイッチしたのは、「エボVIII MR」からだ。当時、開発担当者は「最初、ニュルの縁石に乗れませんでした。大きく弾かれてしまって……それがビル足になったら、全然問題なしなんです!」と満足げに語っていたものだ。エボIXで洗練されたビル足は、やや大柄になったエボXでさらに進化したといえよう。(後編につづく)

(文=桃田健史(IPN)/写真=三菱自動車)

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