2013年10月24日から27日の間、イタリアを代表するヒストリックカー&モーターサイクルショー「アウトモト・デポカ(Auto Moto d'Epoca)」が、北部パドヴァで開催された。
アウトモト・デポカは今年で第30回。東京ドームの面積の約2倍にあたる会場には、およそ3600台の実車が展示されたほか、約500のパーツ&アクセサリー・ショップも軒を連ねた。
燃料高騰や高級車に対する税務調査強化を背景に、大排気量車を中心にイタリアのヒストリックカー市場は楽観できない。だが、それだけに放出される車は増え、結果として会場は活況を呈した。往年のカロッツェリアによるさまざまな一品製作から、メルセデス“ハネベン”ベースのピックアップのような奇品珍品まで、そのバラエティーぶりを写真で紹介しよう。

路上ではなかなか見ることができない日本車の出品もみられた。「日産フィガロ」はイタリアでは珍車中の珍車のため、多くの来場者に注目されていた。ある来場者が「面白そうだが、ATをはじめパーツが心配」というので、席を外していたオーナーの代わりに筆者が「『日産マイクラ(日本名:マーチ)』と共通パーツが多いよ」と教えると、「ああ、そうなんだ」と感心していた。
いっぽう屋外には、走行8万kmの1993年「日産(フェアレディ)300ZX」があった。オーナーのエジディオ・ソリーゴさんはコレクションを一部整理するため、同車を持ってきた。会期中のオークションで、最低落札価格を1万8000ユーロ(約242万円)に設定したものの、ハンマープライスとはならなかった。
オークション終了後、ソリーゴさんがエンジンをかけると、滑らかに回るV6ユニットの音に、どこからともなく周囲の人々が集まって“鑑賞会”が始まってしまった。
その様子を眺めながら、彼は「なんか売りたくなくなってしまったよ。手元に残って、良かったのかもしれない」と、笑みを浮かべながらつぶやいた。

(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)