「フレンチブルーミーティング2015」の会場から
2015.10.26 画像・写真2015年10月17-18日、29回目を迎える年に一度の“フランス車のお祭り”「フレンチブルーミーティング(FBM)」が、例年どおり長野県の車山高原で開催された。標高1500m級の高地で行われるため、天候に左右されることの多いこのイベントだが、今年は土曜日の昼に通り雨があったぐらいで、日曜日は澄みきった青空が広がり、最高気温は20度を超えた。おかげで日曜日の朝は、車山高原に向かうビーナスラインが“フランス車渋滞”になったほど。1500台以上のフランス車がこの地に詰め掛けたという。
今年は土曜日の夜に行われる前夜祭が新たに「車山パリ祭」とネーミングされ、日曜日は「シトロエンDS」の60周年と「C6」の10周年を記念した特別展示が行われた。特定の車種を集めての展示は、30年近いFBMの歴史の中でも初めてであり、メイン会場のグラウンドの一角に並んだDSとC6の一団は、多くの参加者の注目を集めていた。
それ以外のメニューとしては、土曜日に「フリーマーケット」「シネマフェスタ」「星空とお散歩ツアー」「マッドフレンチカフェ」が、日曜日は「ジムカーナ大会」「シトロエン2CVクランク掛け競争」「子供2CV玉入れ競争&子供写生大会」「チャリティーオークション」などが用意された。
いずれも例年と変わらぬ内容だが、それでも多くのフランス車乗りが毎年のように車山高原を目指すのは、メニューへの参加が自由であることも大きいのだろう。中には、一日中昼寝をしている人、メイン会場から離れた場所でラジコンに熱中している人もいる。この自由な空気感や、フランス車ならどんな車種でも受け入れてくれるという平等、博愛の精神が、長きにわたり愛されるイベントであり続けている理由なのかもしれない。
(文と写真=森口将之)

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メイン会場の様子。このほか大小10カ所以上の駐車場が用意され、ほとんどがフランス車で埋め尽くされた。
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今年の土曜日の前夜祭は「車山パリ祭」とネーミングされた。日曜日も、同じ看板がメイン会場の入り口に掲示された。
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メイン会場の一角には、「シトロエンDS」の60周年と「C6」の10周年を記念する展示スペースが設けられた。
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エレガントなテールを並べる「シトロエンDS」と廉価版の「ID」たち。これだけの数が並ぶのはわが国では珍しい。
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展示された「DS」「ID」の多くは、後期型の“4つ目”(猫目)だったが、わが国では希少な前期型の“2つ目”の姿も見られた。
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シトロエンが1970年前後にわずか267台だけ製作した、ロータリーエンジンの実験車「M35」。日本上陸は、おそらく初めて。
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シングルローター495㏄から49psを発生する「シトロエンM35」のエンジンは、縦置き。前輪を駆動する。サスペンションは、ハイドロニューマティック。
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恒例のジムカーナ大会は、ジムカーナとはいうものの土のグラウンドが舞台。60周年を迎えた「シトロエンDS」も挑戦した。
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モダンなフランス車もジムカーナに参加。写真は、サイドブレーキを駆使しつつタイトなコースを攻める「ルノー・ルーテシアR.S.」。
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「DS」や「C6」以外にも、同型車の列は各所で見られた。写真は、ピニンファリーナがボディーを製作したプジョーである「406クーペ」。
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ルノースポール市販車第1号「スピダー」も、お天気に恵まれたこともあり、これだけの台数が集結した。
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特別展示以外、多くのクルマはランダムに並べられる。「シトロエン・アミ8」(写真右)と「ルノー5ターボ2」(同左)が隣り合うことも。
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リアエンジン、パックボーンフレーム、FRPボディーを貫いたアルピーヌの2台、「A110」(写真左)と「A610ターボ」(同右)。
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プジョーの「504」(写真右)と「205ターボ16」(同左)。FRとミドシップ4WD、メカニズムは対照的だが、どちらもラリーで強かったという共通点がある。
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右は日本製の「日野ルノー4CV」、左はフランス製の「ルノー8ゴルディーニ」。異なる故郷を持つリアエンジン・ルノーの2ショット。
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正規輸入はまだされていない「シトロエンC4カクタス」だが、並行輸入業者が数台持ち込んだほか、オーナーによる参加もあった。
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1998年から連続参加の「シトロエン2CV」。年ごとにデザインが異なるステッカーを、トランクリッドに並べて貼っていた。
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「シトロエンDS」の前任者にあたる「トラクシオンアヴァン」。第2次世界大戦前の設計だが、今なお現役。元気に坂を登る。
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フランス車乗りたちの情報交換の場でもあるこのイベント。往路でのトラブルも、同好の士が集えばたちまち解決?
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これもフランス車。1950年代に作られたスクーター「ヴァルモビル」。前半分は、四角いメインボディー内に格納できる構造になっている。
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プジョーのエンブレム、ライオンをイメージしたプジョール君。後方には「306」や「106」などちょっと古めのプジョーが。
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犬を連れての参加者も多い。中でも、専用カートにフランス国旗まで掲げて会場入りしたこの2匹は目立っていた。
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メイン会場のグラウンドは今年からレイアウトが変わり、フードコートエリアを新設。後方にケータリングの「シトロエンH」が見える。
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ステージに立つミュージシャンたち。アコーディオン田ノ岡三郎、ヴァイオリンReina Kitada、タップはレオナ。
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フランス車はファミリーカーとして使われることも多い。ということで、写真の「2CV玉入れ競争」のような、子供向けイベントも充実していた。
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