Chapter.2

新時代を
切り開くための革新

ラグジュアリーSUVの
“これから”を見据えたテクノロジー

初代モデルからあらゆる部分が刷新された新型レンジローバー イヴォーク。
今回が“初お披露目”となる新世代アーキテクチャーや電動パワートレイン、
ドライバーをサポートする先進装備の数々など、その見どころを余すところなく紹介する。

文=生方 聡/写真=ジャガー・ランドローバー

Text by Satoshi Ubukata / Photographs by Jaguar Land Rover

THE NEW RANGE ROVER EVOQUE

Chapter 2-1

同じ部品はドアヒンジだけ

2代目レンジローバー イヴォークは、特徴的なクーペスタイルを持つ初代のイメージを受け継ぎながら、最新のテクノロジーによってその性能が大きく進化している。

クーペを思わせるダイナミックなフォルムは踏襲しつつ、よりモダンで洗練されたデザインとなった新型イヴォーク。中身についても初代モデルから刷新されている。

ジャガー・ランドローバーのプロダクト・エンジニアリング担当エグゼクティブ・ディレクターであるニック・ロジャース氏が、「新型イヴォークにはエンジニアリングおよび技術の革新が盛り込まれています。プラグインハイブリッド(PHEV)やマイルドハイブリッド(MHEV)といった電動システムに対応するため、ドアヒンジを除き、アーキテクチャーを一新しました」と述べているように、まったく新しいクルマに生まれ変わったのだ。

新型イヴォークの車両骨格。電動パワートレインへの対応はもちろん、13%向上したボディー剛性により、運動性能や快適性の向上も果たしている。

まずは車両骨格だが、2代目イヴォークには新開発の横置きエンジンアーキテクチャー「プレミアム トランスバース アーキテクチャー(PTA)」が採用される。プラットフォームはフロントエンド、フロア、リアエンドの3つのセクションで構成されており、フロントエンドは従来よりエンジンのマウント位置を低めることでノイズや振動を抑制するとともに、ハンドリング性能を向上させている。フロアセクションはホイールベースを20mm延長することでキャビンを拡大。同時に、近い将来登場予定のPHEVに対応できるよう、あらかじめバッテリーなどの搭載スペースを確保している。また、リアエンドはサスペンションの小型化によりラゲッジスペースの容量をアップ。マルチリンクサスペンションの採用により、さらなるハンドリング性能の向上を実現したという。

インテリアではサスティナビリティーにまつわる試みにも注目。ペットボトルの再生材料や、ユーカリ属の植物繊維を用いたシートも用意されている。

  • クーペを思わせるダイナミックなフォルムは踏襲しつつ、よりモダンで洗練されたデザインとなった新型イヴォーク。中身についても初代モデルから刷新されている。

  • 新型イヴォークの車両骨格。電動パワートレインへの対応はもちろん、13%向上したボディー剛性により、運動性能や快適性の向上も果たしている。

  • インテリアではサスティナビリティーにまつわる試みにも注目。ペットボトルの再生材料や、ユーカリ属の植物繊維を用いたシートも用意されている。

レンジローバー イヴォークの
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Chapter 2-2

電動化も抜かりなく

パワートレインは今日におけるジャガー・ランドローバー最新のもので、INGENIUM(インジニウム)と呼ばれる2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンが搭載される。日本仕様では、ガソリンエンジンは200ps、249ps、300psの3タイプ、ディーゼルエンジンは180psの1タイプで、いずれも9段オートマチックトランスミッションと4WDが組み合わされる。

本国仕様では6種類あるエンジンラインナップのうち、日本へはガソリンが3種類、ディーゼルが1種類の計4種類のエンジンが導入される予定。写真は最高出力249psのガソリンエンジン。

さらに、新型イヴォークには新たに48VのMHEVも採用されている。MHEVは、ベルト駆動のスタータージェネレーター(BiSG)と48Vリチウムイオンバッテリー、そして12V-48Vを変換するDCDCコンバーターで構成され、通常であれば減速時に失われてしまうエネルギーを、BiSGにより電気に変えてリチウムイオンバッテリーに蓄積。回収した電気をリスタート時のエンジン始動や加速時のモーターアシストに使うことで、燃料消費の抑制とより力強い加速を実現している。またドライバーがブレーキを操作して減速する場合には、17km/h以下でエンジンを停止させるアイドリングストップ機構も備わる。

48Vのバッテリーとスタータージェネレーターを組み合わせたマイルドハイブリッド機構。これにより燃費が6%改善するという。

これに加え、ジャガー・ランドローバーではMHEVよりさらに電動化を進めたPHEVも準備を進めている。システムは3気筒エンジンと駆動用モーターを組み合わせたもので、外部からの充電により、近距離移動時には走行時のゼロエミッションを実現。充電した電気がなくなっても、ハイブリッドパワートレインにより高効率な移動を可能にしている。

新型イヴォークでは、容量11.3kWhの走行用バッテリーを搭載したPHEVの導入も計画されている。

  • 本国仕様では6種類あるエンジンラインナップのうち、日本へはガソリンが3種類、ディーゼルが1種類の計4種類のエンジンが導入される予定。写真は最高出力249psのガソリンエンジン。

  • 48Vのバッテリーとスタータージェネレーターを組み合わせたマイルドハイブリッド機構。これにより燃費が6%改善するという。

  • 新型イヴォークでは、容量11.3kWhの走行用バッテリーを搭載したPHEVの導入も計画されている。

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Chapter 2-3

本領はゆずれない

4WDシステムは、「エフィシェント・ドライブライン」と「アクティブ・ドライブライン」の2種類を用意する。エフィシェント・ドライブラインは、路面や走行状況に合わせて前後アクスルに最適なトルクを配分するフルタイム4WDだ。一方、300psのガソリンターボエンジンには、FFと4WDを自動で切り替えるアクティブ・ドライブラインを採用。発進時や急加速時、滑りやすい路面などでは、前後アクスルに最適なトルクを配分するが、クルージングではクラッチによりプロペラシャフトやリアドライブシャフトなどを切り離し、フロントアクスルだけにトルクを伝達。効率を高めている。

オフロード走行を考慮したディメンションに、本格的な4WD機構、そして高度な電子制御により、新型イヴォークはレンジローバーの名にふさわしい悪路走破性能を有している。

都会的なデザインが特徴の新型イヴォークだが、優れたオンロード性能はもちろんのこと、高いオフロード性能も備えているのは意外かもしれない。オフロード性能の指標となる最低地上高は212mm、アプローチアングルは25°、デパーチャーアングルは30.6°、ブレークオーバーアングルは20.7°と、いずれもクラスの水準を上まわる数字となっている。さらに、最大渡河深度は従来の500mmから600mmへと向上。クラストップレベルの実力を有している。

初代より100mmも深い600mmという最大渡河深度は、このセグメントのSUVではクラストップレベルである。

これらの特徴に加えて、新型イヴォークの走破性を高めるのが「テレイン・レスポンス2」だ。「オート」を選んでおけば、走行状況に応じた車両セッティングをシステムが自動的に選択し、エンジン、トランスミッション、4WDなどを最適に制御することで最大のトラクションが得られる。また、ドライバーが任意で「一般」「草/砂利/雪」「泥/轍(わだち)」「砂」の各モードを選択することも可能だ。

状況に応じて適切な走行モードを選択できる「テレイン・レスポンス2」。センターコンソールのタッチパネルとダイヤルで操作する。

  • オフロード走行を考慮したディメンションに、本格的な4WD機構、そして高度な電子制御により、新型イヴォークはレンジローバーの名にふさわしい悪路走破性能を有している。

  • 初代より100mmも深い600mmという最大渡河深度は、このセグメントのSUVではクラストップレベルである。

  • 状況に応じて適切な走行モードを選択できる「テレイン・レスポンス2」。センターコンソールのタッチパネルとダイヤルで操作する。

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Chapter 2-4

AIを活用した
最新のテクノロジー

オンロード、オフロードに関わらず、良好な視界の確保は安全でストレスのないドライビングをもたらす。新型イヴォークでは、カメラで撮影した映像を高精細の液晶ディスプレイに表示する「クリアサイト・リアビューミラー」が搭載される。乗員や荷物で後方視界が遮られる場合でもクリアな映像が得られるとともに、鏡に比べて視野角も50°と広く、夜間の視認性も高い。

インフォテインメントシステムを筆頭に、さまざまな先進装備を備えた新型イヴォーク。タッチスクリーンやマルチファンクションスイッチを駆使した、洗練されたインターフェイスも大きな特徴だ。

さらに、車両前方に設置したカメラにより、車両直前の様子をタッチスクリーンで確認できる「クリアサイト・グラインドビュー」も、駐車場や障害物の多いオフロードでは重宝する機能だ。

「クリアサイト・グラインドビュー」では、運転席からは死角となる自車直前や、前方車体下部の路面状態をカメラ映像で確認できる。

最新のモデルだけに、インフォテインメントシステムは優れたユーザーインターフェイスを備えるとともに、スマートフォンとの連携もスムーズ。さらに、AI(人工知能)がドライバーの行動パターンを学習し、シートポジションやステアリングコラム、音楽、エアコンの設定などを制御する「スマート・セッティング」をランドローバーとして初採用。さまざまな新機能がドライバーをサポートしている。

従来モデルからすべてが刷新された新型イヴォークは、初代同様、マーケットにとっても、レンジローバーというブランドにとっても、大きな存在となりそうだ。

快適な移動のため、より効率的な走りを実現するため、あるいは、よりレンジローバーらしさに磨きをかけるため、新型イヴォークにはさまざまなテクノロジーが取り入れられている。ヒット作となった初代から大きく進歩を遂げたこのモデルは、ラグジュアリーコンパクトSUVマーケットに、また新たな歴史を刻むに違いない。

  • インフォテインメントシステムを筆頭に、さまざまな先進装備を備えた新型イヴォーク。タッチスクリーンやマルチファンクションスイッチを駆使した、洗練されたインターフェイスも大きな特徴だ。

  • 「クリアサイト・グラインドビュー」では、運転席からは死角となる自車直前や、前方車体下部の路面状態をカメラ映像で確認できる。

  • 従来モデルからすべてが刷新された新型イヴォークは、初代同様、マーケットにとっても、レンジローバーというブランドにとっても、大きな存在となりそうだ。

Chapter List

  • Chapter.1

    2010年7月の衝撃

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  • Chapter.3

    地の果てまで走りたくなる

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  • Chapter.4

    イヴォークが見せてくれた風景

    リポートを読む

  • Chapter.5

    小山薫堂 新型イヴォークを語る

    COMING SOON