BMW X5 3.0si(4WD/6AT)/4.8i(4WD/6AT)【短評(後編)】
揺るぎない存在感(後編) 2007.07.25 試乗記 BMW X5 3.0si(4WD/6AT)/4.8i(4WD/6AT)……893万2000円/1144万4000円
3リッター直6と4.8リッターV8が用意されるニューX5。ランフラットタイヤを履く新型に乗ってみると……。
3リッター直6でも十分
7年ぶりのフルモデルチェンジを果たした「BMW X5」。日本でのラインアップは、3リッター・ストレート6を積む「X5 3.0si」(753万円)と4.8リッターV8の「X5 4.8i」(963万円)の2モデル。いずれも6段オートマチックが組み合わされ、さらに「xDrive」と呼ばれる電子制御駆動配分システムを持つフルタイム4WDが4輪へエンジンの出力を伝えている。
まずはX5 3.0siの試乗から。ちょっと高い位置にある運転席に収まると、センターコンソールに見慣れない物体が! 実はコレ、新しいデザインのセレクターレバーで、これまでのようにレバーを前後にスライドさせたり、ゲートにそって動かすのではなく、一カ所にとどまったままレバーを前後左右に倒すことでポジションを変えるというもの。まるでジョイスティックのような操作感が新しい。ボタン式のパーキングブレーキとともに、省スペースに一役買っているのはいうまでもない。
さっそくレバー側面のボタンを押しながらコクッとレバーを手前に倒してDレンジをセレクトすると、X5は颯爽と走り始めた。ノーズに収まる3リッターエンジンは、最高出力272ps/6650rpm、最大トルク32.1kgm/2750rpmの実力を持ち、スライディングルーフと3列目シートを装着して2210kgに達したボディを軽々と……とはいかないまでも、スポーティに走らせるだけの実力を備えている。回したときの、とくに5000rpmあたりからレブリミットの7000rpmにかけて気持ちよく吹け上がる感じはさすが自慢のストレート6というところだが、その一方で、2000rpmから3000rpm付近のトルクが充実していて、ふだん使ううえでも実に扱いやすいのがうれしい。
ここから乗り換えると、X5 4.8iのV8は低速からさらにトルクが充実し、そのうえ回転を上げるほどに力強さを増すから、2.3トンを越える車両重量を忘れてしまうほど、軽やかな動きを見せてくれる。