シトロエンC6(FF/6AT)【ブリーフテスト】
シトロエンC6(FF/6AT) 2007.02.22 試乗記 ……682.0万円総合評価……★★★★★
2006-2007年インポートカーオブザイヤーを受賞した「シトロエンC6」。独創のハイドロニューマティックやデザインの斬新さばかりが取り上げられるが、走ってみれば実は速いクルマなのだという。その理由は……。
長い目で見ると速い
何かと比べたくなる気持ちはわかるが、シトロエンは比べてどうかという優劣よりも、シトロエンらしさがアリかナシかという独自性に着目してしまう。唯我独尊の境地にあるC6の場合には特に、自分の気持ちの上ですでに乗る前から、見ただけで好意的になってしまっている。
飛ばそう、速く走ろうという気にならないし、まして張り合うなんて思いもよらない。とはいえ、瞬間的には後塵を拝しても、その距離が遠ければ遠いほど、先に到着する結果となるのは明白。安楽な運転は長距離運転の際に有利になるからである。
こまめにチェックすれば欠点をあげつらうのは簡単だ。しかしその欠点も些細なことがらに思えてしまう、それだけ包容力があり、快適移動空間の理想像と思えてくる。波長が合うとはこうしたことだろう。しかし一方では、誰にでも合うという一般性は割り引かれることも確かで、嫌われる要素も秘めている。だから評価は分かれるだろう。
短時間の試乗では理解しがたい点もあり、長く乗って作り手と価値観を共有できるユーザーのみが深い満足感を得られるクルマではある。