新型「サーブ9-3」登場!

2003.01.22 自動車ニュース webCG 編集部

新型「サーブ9-3」登場!

日本ゼネラルモーターズは2003年1月20日、「サーブ9-3 スポーツセダン」こと新型サーブ9-3シリーズを、同年2月8日から販売すると発表した。グレードは、シンプルな「リニア1.8t」、エレガントな「アーク2.0t」、そしてスポーティな「エアロ2.0t」の3種類で、全車左/右ハンドルの5段AT仕様。価格はそれぞれ、360.0万円、415.0万円、470.0万円となる。

■通常のセダンボディに

サーブの新型「9-3 スポーツセダン」は、2002年9月のパリサロンで初公開されると同時に、欧州で発売された。9-3の前身である「900」シリーズや初代9-3は、3ドア、または5ドアハッチバックのボディ形状が特徴だったが、新型はハッチゲイトではない、通常のセダンボディに一本化。“プレミアム・コンパクトスポーツ”を標榜する。BMW「3シリーズ」やアウディ「A4」、ボルボ「S60」など競合ひしめく市場に参入するモデルである。

サーブによれば、新型9-3が参入する、Dセグメント・プレミアムカー市場の販売台数は、約10年間で50%ほど増加した成長市場。約60%をセダンが占め、使い勝手のよさを求めるユーザーのニーズは、ハッチバックでなくワゴンにあるという。Dセグメント・プレミアムカーで成功を収めるには、「ライバルとぶつかってもセダンへスイッチする必要があった」とのことだ。

■ユーロNCAPで5つ星

同じGMグループである、「オペル・ベクトラ」のプラットフォームを使う9-3のボディサイズは、全長は先代と同じだが、全幅が50mm拡大、ホイールベースは70mm延長された。全高は10mm低められ、全長×全幅×全高=4635×1760×1465mm、ホイールベースは2675mmとなった。ちなみにライバルのアウディA4は、4555×1765×1430mmと2645mmである。

9-3のデザインは、サーブのデザインDNA「時間を超越したスカンジナビアンデザイン」(清潔感があってモダンであることなど)が特徴だという。エクステリアは、強く傾斜させた前後ウィンドウや、短い前後オーバーハングなどで、躍動感を表現した。空気抵抗値(Cd値)0.28を実現し、高速安定性や風切り音を低減。先代比で、ボディ剛性は2倍以上になり、乗り心地やハンドリング、安全性の向上が謳われる。特筆は衝突安全性。欧州衝突安全試験「ユーロNCAP」において、最高評価の5つ星を獲得した。

インテリアは、インパネをドライバーを囲むように配置し、コクピット感覚を演出する。3連メーターや緑のイルミネーション、センタートンネル上に配されたイグニッションキーホールや、夜間にスピードメーター以外の照明を落とす「ナイトパネル」など、“サーブの伝統”が随所に受け継がれている。室内空間は、先代比でフロントのショルダールームが81mm、リアは66mm、後席レッグスペースは38mm拡大された。

■エンジンチューンは3種類

新開発のオールアルミユニットは、2リッター4気筒DOHC16バルブターボ・インタークーラー付き。150ps、175ps、210ps仕様の3種類が設定され、それぞれ、ベーシックな「リニア1.8t」(Linear)、中間グレード「アーク2.0t」(Arc)、そしてトップグレード「エアロ2.0t」(Aero、2003年5月導入予定)に搭載される。トランスミッションはアイシンAW製、シーケンシャルモード「サーブ・セントロニック」付きの5段ATが組み合わされる。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアは4リンク式を採用した。リアサスペンションには、コーナリング時のステアリング操作に対し、リアホイールそれぞれに反対の舵角(例えば外側にトーアウトなら、内側はトーイン)を与え、アンダーステアを解消する「サーブReAXS」を装備する。

ドライビングをサポートする、電子デバイスも装備。ABSとEBD、CBC(コーナリングブレーキコントロール)やトラクションコントロールをはじめ、車両安定性を高めるEPSが備わる。機能面では、左右独立式エアコンや前席パワーシート(リニアは運転席のみ)とヒートシーターを標準装備。安全装備は、前席アダプティブデュアルステージエアバッグ、サイドエアバッグ、サーブ初採用の、頭部を保護するルーフレールエアバッグ(前後席)や、むち打ちを軽減する「S・A・H・R2」(サーブアクティブヘッドレスト2)と、多彩だ。

新型サーブ「9-3 スポーツセダン」(左右ハンドル、5AT)の価格は、以下の通り。

リニア1.8t:360.0万円
アーク2.0t:415.0万円
エアロ2.0t:470.0万円(2003年5月発売予定)

オプション装備として、レザーシートと16インチアロイホイールのパッケージオプション、「スペシャルレザーパッケージ」(リニア1.8tのみ)が18.0万円、受注生産のチルトアップ機構付き電動ガラスサンルーフは、12.0万円で用意される。

(webCGオオサワ)

サーブホームページ:http://www.saab.co.jp/

 
新型「サーブ9-3」登場!の画像

サーブの新型「9-3 スポーツセダン リニア1.8t」
 

	サーブの新型「9-3 スポーツセダン リニア1.8t」
	 

新型9-3の電装系には、情報伝達量の多い光ファイバーが採用された。従来の配線で対応しようとすると、ケーブル使用量が約2倍の1600m必要で、重量にして約40kgになるという。
 

	新型9-3の電装系には、情報伝達量の多い光ファイバーが採用された。従来の配線で対応しようとすると、ケーブル使用量が約2倍の1600m必要で、重量にして約40kgになるという。
	 

荷室容量は425リッター(欧州参考値)。リアシートバックは、荷室に設けられたレバーでロックをはずし、フォールディングすることができる。
 

	荷室容量は425リッター(欧州参考値)。リアシートバックは、荷室に設けられたレバーでロックをはずし、フォールディングすることができる。
	 

150psを発する、リニア1.8tのエンジン
 

	150psを発する、リニア1.8tのエンジン
	 

日本GMのサーブブランドチームの川井隆行氏によれば、サーブ製の6段MT仕様もあるが、生産台数が少ないため、日本への導入は1年間見合わせるとのことだ
 

	日本GMのサーブブランドチームの川井隆行氏によれば、サーブ製の6段MT仕様もあるが、生産台数が少ないため、日本への導入は1年間見合わせるとのことだ
	 


 
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