CIAは極悪な組織?
訓練していたのは、これまたCIAの極秘作戦「アウトカム計画」で人格と肉体を改造された人間兵器アーロン・クロスだった。演じるのはジェレミー・レナーで、『アベンジャーズ』で弓を射まくっていた人である。『ハート・ロッカー』では爆弾処理班の隊員をやっていたし、肉体を酷使する役が多い。
3部作でもそうだったが、映画の中ではCIAは陰謀ばかりめぐらしている極悪な組織のように描かれる。対外諜報(ちょうほう)活動という重要な任務があるはずなのに、失敗の隠蔽(いんぺい)や自己保身に全力を投じているようなのだ。公開中の映画『デンジャラス・ラン』でも、CIAは悪人だらけである。こういう設定の映画が続くと、さすがにCIAも堪忍袋の緒が切れるだろう。極悪組織なら映画関係者を暗殺しかねないんじゃないかと、余計な心配をしたくなる。
アーロンは、毎日薬を服用することが義務づけられている。そして、定期的に血液を採取され、分析されるのだ。そのプログラムを請け負っているのがステリシン・モルランタ社で、マルタ・シェアリング博士(レイチェル・ワイズ)が担当していた。研究室で同僚の男が突然狂乱状態になって銃を乱射し、彼女も危うく命を落としそうになる。プログラムがその異変に関わりを持っているらしい。
一方、ニューヨークにジェイソンが現れたことを知ったCIAは、機密が明るみに出ることを恐れ、遂行中の計画を抹消することを決定する。アウトカム計画の“最高傑作”であるアーロンも追われる身となる。薬が切れてしまった彼はマルタの研究室を訪れるが、すでに薬が製造中止になっていたことを知り、製造工場のあるフィリピンのマニラにふたりで向かうのだ。しかし、CIAは街に張りめぐらされた監視カメラの映像から彼らを見つけ出し、着実に追い詰めていく。

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
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