日本のダサさもプラスになるか?

そこで気がつくのは、近年の英国車である。MINIとロールス・ロイスはBMWによって、ジャガー・ランドローバーはタタによって市場で成功した。
とくにジャガー・ランドローバーは2012年3月、両ブランドとも史上最高の販売台数を記録した。記録的落ち込みが続くイタリア市場でも、ランドローバーは「レンジローバー イヴォーク」のおかげで、ヒュンダイとともに数少ないプラス成長を示しているブランドだ。

イヴォークを買った人の何割かは、将来、より高級な「レンジローバー ヴォーグ」を買ってくれるだろう。そうした意味でイヴォークは、前述のマーマイトスナックなのである。
マーマイトも英国車も、本国の人間だけでは気づかなかったアイデンティティーが再発見され、最大限に引き出されているのである。

昨今、日本ではメーカーの業績不振が著しく、そのいくつかは海外資本の傘下に入ったり、入ろうとしている。買収した海外企業は今後、日本ブランドのアイデンティティーをどう活用するのか。マーマイトのように、日本のダサい点、ネガティブな点をプラスに転じる、日本人が考えもつかないアッと驚く秘策が出てくることを今から期待しているボクである。

(文と写真=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)

ハンプシャー州ライミントンのメインストリートにたたずむ「MINI」。
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「まずいもの」ばかりが続いてしまったのでイギリスの名誉のために記せば、日本への絵はがきは、イタリアよりも早く着きました。
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大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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