5人乗れて使いやすい
数値上で全幅のみ5mm広がっているのはドアノブ形状の違いによるもので、ボディーのスリーサイズは3ドアとほぼ同じ。ルーフ角度に数ミリの変更が加えてあるそうですが、真横から見てもほとんど違いがわかりません。ミリ単位で見え方が変わってくるといわれているクルマのデザインにおいて、変わってないように見せているというのが、ポイントなのだとか。
ボディーサイズを実質上、変更せず、4人乗りから5人乗りへ、どうやって室内を広げたかというと、後席はドアの内張りの形状を変えるなどして、場所により2mmから13mmの幅を持たせて拡幅したそうです。シートの横幅も広くなっているほか、座面を下げて、空間を広げているのだとか。身長163cmの私が後席に座ってみると、膝から前席のシートバックまで拳二つ分の余裕があり、チャイルドシートに子供を乗せても大丈夫そうです。
5ドアになったことで、フロントドアの大きさはコンパクトになり、使いやすさもアップ。限られたスペースでドアを開けた際の開口角度は、3ドアで35度の時、5ドアでは47度と大きくなっています。見た目をほとんど変えることなく5人乗りにしても、デザイン上、少しの破綻もきたしていないのは、さすがアウディマジック!
子育てママ目線で言えば、少々残念なのが、921mmという荷室幅。ウチのコンビ製B型ベビーカーがすっぽり横置きできないサイズだったので、オシャレファミリー御用達のマクラーレン製ベビーカーもたぶん無理でしょう。残念。
また、293万円からという価格を考えれば、ずっと室内が広い「メルセデス・ベンツ Bクラス」も買えるお値段。「あのベンツさまが299万円から手に入るなんて!」と、目の色を変える方も多いでしょう。でも、ユーザーがアウディ車に求めているのは、ベビーカーがラクラク入るほど広い荷室よりも、生活感を感じさせないハイクオリティーなデザインと高精度な走りですよね。
3ドアモデルのスタイルの良さはそのままに、ストレッチ素材でゆったり着心地がよくなったといった印象のA1スポーツバック。プラス20万円で、さらに使いやすくなってます。ギリギリ東京をキープする街でも、オシャレ過ぎること間違いなしです。
(文=スーザン史子/写真=荒川正幸)
「A1」とほぼ変わらないスポーティーなスタイルをキープする「A1スポーツバック」。リアドアの後ろにあるクオーターウィンドウが3ドアとの違いを表している。5ドアとなったことでフロントドアの長さは3ドアモデルよりも240mm短い1062mmとなり、狭い場所での乗降性もアップしている。
拡大 |
後席の様子。3ドアモデルと比べて見た目はほとんど変わっていないのに、後席の居住性は驚くほどアップしている。163cmのリポーターが座った状態ではヘッドルームに余裕があり、窮屈さは感じない。
拡大 |
写真をクリックすると後席のシートアレンジが見られます。
拡大 |
【テスト車のオプション装備】
オプションカラー(ミサノレッドパールエフェクト)=5万5000円/コントラストルーフ=8万円/バイキセノンパッケージ=15万円/レザーパッケージ=28万円/MMI 3G Plus=26万円/BOSEサラウンドサウンドシステム=15万円/クルーズコントロール+APS(フロント/リア)=15万円/10スポークデザインアルミホイール+215/45R16タイヤ=12万円/エアコン吹き出し口カラードスリーブ(ハイグロスブラック)=6万円
拡大 |