鈴鹿は開発に向いている
そんな走りの片りんを体感すべく、当日は同乗走行の時間を設けてくれた。「メガーヌ ルノースポール」に4人で乗って、フルコースを3周するというメニュー。僕はウルゴン氏の助手席に乗ったが、今思えば助手席でよかった。
1周目は慣熟走行で、僕がサーキット走行をたしなむ程度のペース。内心「こんなもんか」と思ったが、それはあくまで“慣熟”だった。メインストレートに戻って200km/h近くまで速度を上げ、さっきの倍近いスピードで1コーナーへ……! 心臓が口から飛び出しそうになった。
市販の前輪駆動車とは思えぬ横Gが体を襲うや、タイヤがグリップの限界を迎え、4輪ともスライドを始めた。続くS字も軽い4輪ドリフトで抜けていく。市販車なのに縁石にガンガン乗り上げて、見ているこっちが心配になるが、何事も起こらない。
ヘアピンからスプーンコーナーを抜け、次は130R。これまた想像を絶するスピードで飛び込んでいく。さすがにここはグリップ走行だろうと思いきや、立ち上がりではスライドを始めて肝を冷やした。でもウルゴン氏は平然とアクセルを踏み続けていく。
最後の周回は少し慣れてきたので、ドライビングを観察すると、とにかく動作に無駄がなく、クルマも唐突な動きを一切見せない。そしてコーナーは、良い意味でFFらしからぬ、前後のグリップバランスが取れた姿勢でクリアしていくのだった。
自分でドライブしてもすごいクルマだと思い込んでいた「メガーヌ ルノースポール」の実力を、これでもか! というほど見せつけてくれた“ニュル最速男”は、最後にこう付け加えた。
「今回のテストで得られたデータは、今後開発される車種に反映するつもりです。ただ鈴鹿は全般的に開発に向いたコースで、個人的にも気に入ったので、機会があったらまた来たいですね」
もちろんそれは、大歓迎。ただ、また助手席に乗ってくださいと言われたら……ちょっと悩む!?
(文=森口将之/写真=ルノー・ジャポン、webCG)
【Movie】ロラン・ウルゴン、鈴鹿を走る!
ニュルでFF車最速タイムを出したテストドライバー ロラン・ウルゴン氏。「メガーヌ ルノースポール」による鈴鹿タイムアタックの様子を紹介する。
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