フォード・クーガ タイタニアム(4WD/6AT)
仕上がりは上々 2013.05.12 試乗記 フォードのコンパクトSUV「クーガ」がモデルチェンジを受けた。従来型のイメージを引き継いだ新型の走りはいかに? オーストラリアはアデレードからの第一報。従来型のイメージをうまく引き継ぐ
フルモデルチェンジしたフォードのコンパクトSUV「クーガ」のメディア試乗会に参加するためにオーストラリアのアデレードに行ってきた。
オーストラリアには「ファルコン」や「テリトリー」などを造るフォードの工場があるが、日本に輸入されるクーガはスペインのバレンシア工場製だ。
フォードは、日本に4月に導入された3代目「フォーカス」以来、積極的に「ONE FORD」戦略を推し進めている。ONE FORD戦略とは、基本設計をヨーロッパやアメリカで行い、世界各地で生産し、消費地に届けるという構想だ。
例えば、フォーカスはヨーロッパで設計され、世界7つの工場で生産される。日本には、同じ右側通行という点や地理的な近さが考慮されて、タイのバンコク郊外に2011年に建設された工場でオーストラリアやニュージーランド、香港向けなどとともに造られたものが導入されている。
それに対して、新型クーガがタイ製ではなくスペイン製になる理由は、フォーカスほど多くの国では販売されないためだ。当面、ヨーロッパとアジア、オセアニア諸国で販売される。
ちなみに、中国ではすでに販売されているが、これは中国工場製である。また、アメリカでは事実上同形のモデルが「エスケープ」の名で販売されている。
アデレードのホテルで対面した新型クーガの第一印象は、「旧型のイメージをうまく引き継いだクリーンなもの」だった。
フロントグリルやヘッドライトの上下幅が狭く“薄い”ものとなり、前後フェンダーのエッジが鋭くなったことと相まって、シャープな印象を受ける。
2013年に登場したコンパクトSUVあるいはクロスオーバーとして、とてもうまくまとまったカタチである。だから、旧型の記憶を呼び起こしながら、確かめる必要がありそうだ。
旧型では少し弧を描くように見えていたルーフラインが、新型はほぼフラットに見える。しかし、スペックを確かめると、全高では5mmしか低くなっていない。ちなみに、全長は105mm伸び、全幅は20mm広がった。