目標は世界トップレベルのクオリティー

ラインオフ式の後に行われたゴーンCEOによる現場の視察では、工場のスタッフがしきりに品質についての説明に努めていた。
「インフィニティQ50は、誤差±0.5mm以下の精度で組み付けが行われています。いちいちノギスで測ってなどいられないので、工員はパネルに手で触れるだけで誤差が判断できるよう、日々訓練しているんですよ」
以前、「ノート」を生産する日産自動車九州の工場も見学したことがあるが、九州のキモがコストなら、栃木工場のキモはずばり品質だ。

インフィニティブランドの中核工場なのだから、当然のことながら栃木工場の取り組みの指針はインフィニティの計画目標に密接にかかわっている。その目標とは、2016年までにプレミアムブランドのリーダーになること。具体的には「プレミアム市場での10%のシェア確保」「販売台数50万台」そして「すべてのブランドでトップ3に入る製品品質」だ。

J・D・パワー・アンド・アソシエイツの調査によると、2012年の米国市場におけるインフィニティのIQS(Initial Quality Study)は、全自動車ブランド中6位。上位3位はレクサス、ジャガー、ポルシェという顔ぶれで、インフィニティがここに割って入るためには、もはや今までの品質改善策の延長ではむずかしい、全く新しい取り組みが必要という結論に達したという。

そこで日産は、インフィニティブランドと日産ブランドで品質目標をより差別化。トレーサビリティーの実施率や製造現場の環境、技術スキル、製造スキルなどといった「インフィニティのクルマを作るのにふさわしい工場要件」を全100項目策定し、おのおのを5段階で評価するシステム(I-PES:Infiniti Plant Evaluation System)を構築した。そして、栃木工場はこのI-PESで4.5というスコアを達成する目標を立て(インフィニティ4.5活動)、見事2012年度にこれを達成してみせたのだ。

ラインオフ式の後、栃木工場内を視察するゴーンCEO。
ラインオフ式の後、栃木工場内を視察するゴーンCEO。
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「Q50」のクオリティーの高さと、従業員の取り組みについて説明するスタッフ。「Q50の組み付けで許される誤差は0.5mm以内。このシャープペンシルの芯の太さと一緒です」
「Q50」のクオリティーの高さと、従業員の取り組みについて説明するスタッフ。「Q50の組み付けで許される誤差は0.5mm以内。このシャープペンシルの芯の太さと一緒です」
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日産栃木工場の責任者である、黒澤良二工場長。インフィニティ4.5活動について、「(I-PESを通して)自分たちのやるべきことがハッキリした」と述べた。
日産栃木工場の責任者である、黒澤良二工場長。インフィニティ4.5活動について、「(I-PESを通して)自分たちのやるべきことがハッキリした」と述べた。 拡大
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