円高の中でも勝ち残るための「ブランド力」
栃木工場の取り組みに対する評価は高く、ゴーンCEOも「栃木工場の従業員は、スキルや参画意識、意欲、クルマに関する知識の面で世界ナンバーワンだ」「高いスキルとたゆまぬ改善活動のおかげで、栃木工場は生産品質のベンチマークになっている。栃木工場は、これまでも、そしてこれからも、インフィニティ車の生産の中心であり続ける」と太鼓判を押す。
ただ、だからといって安穏としてはいられないのもまた事実。2014年からインフィニティの現地生産を行う中国・襄陽(じょうよう)工場などは、さまざまな評価指標や改善ノウハウを積極的に導入し、日本の工場に追い付け追い越せと頑張っているという。同じ日産グループの工場同士でも、競争は激化しているのだ。
そこで思い出されるのが、説明会での「とにかくブランドの構築を重視する」という言葉だ。ここで言う「ブランド」とは、インフィニティのことだけではなく、「栃木工場」そのもののことも指している。
「たとえ円高になっても、このクルマはここ栃木でしか作れないというような、円高に左右されない一番のものづくりを目指す。(日産やインフィニティに対して)工場サイドからなにができるかを考えられるようになりたい」という黒澤工場長の意気込みに、製造現場における競争の厳しさと、日本の工場の進むべき姿を見た気がした。
(webCG 堀田)
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