驚きのダブルレーンチェンジ!?

でも、この程度で驚いてはいけなかった。冒頭の話の続き。実はこのテストも自動運転のプログラムのひとつで、緊急ブレーキの瞬間はドライバーは手も足も出していない。次はさらにスピードを上げてのトライだ。目標に向けて再び走りだすパサート。スピードが乗ってきたところで、運転席のスタッフが両手を挙げて、自動運転をアピールする。そして、予定どおり人形が飛び出すと、キャビンに警告音が鳴り響いた。急ブレーキに備えて身構える僕……。

ところが、次の瞬間、僕を襲ったのは強烈な減速Gではなかった。ステアリングホイールが素早く左に、そして次に右に動いて、人形を巧みに避けたのである。いわゆる“ダブルレーンチェンジ”だ。その華麗なハンドルさばきに度肝を抜かれた。

もちろん、これはテストコースという特殊な状況下での話。まわりをクルマや人が行き交うリアルな道路状況に持ち込んだところで、いますぐに安全性が確保できるとは限らない。それでも、今後研究を重ねれば、将来大いに役に立つ技術に発展すること間違いなし!

コンチネンタルは、法環境が整うことを前提に、2016年以降に30km/h以下のストップ&ゴーをサポートする部分的な自動運転が、また、2020年以降には30km/h以上の高速での自動運転が可能になると見ている。さらに、2025年には完全な自動運転が可能になり、ドライバーが道路状況を気にすることなく、高速道路を130km/hの速度で移動できるようしたいと考えている。それでも、ドライバーが自由に運転できる余地は残されており、自動運転のメリットとファン・トゥ・ドライブが両立できると知り、ひと安心。

TechShow 2013では、今後ますます期待が高まるパワートレインの電動化技術や通信技術を利用したクルマの情報化、環境保護の取り組み、そして、タイヤ技術などが紹介されている。進化が止まらない自動車技術に、興奮しっぱなしの一日だった。

(文=生方 聡/写真=コンチネンタル)

自動運転中の車両の前を歩行者が横切る。速度が低いときには緊急ブレーキが作動して事故を回避。
自動運転中の車両の前を歩行者が横切る。速度が低いときには緊急ブレーキが作動して事故を回避。 拡大
スピードが高いとブレーキでは事故の回避ができないと判断し、まわりの状況を確認しながら自動的に“ダブルレーンチェンジ”を行う。もちろん、ドライバーは手も足も出していない。
スピードが高いとブレーキでは事故の回避ができないと判断し、まわりの状況を確認しながら自動的に“ダブルレーンチェンジ”を行う。もちろん、ドライバーは手も足も出していない。 拡大
自動運転とともに、低燃費への取り組みもコンチネンタルの重要な課題。エンジンパーツの高性能化や電動化技術などにより、さらに高効率なパワートレインを目指す。
自動運転とともに、低燃費への取り組みもコンチネンタルの重要な課題。エンジンパーツの高性能化や電動化技術などにより、さらに高効率なパワートレインを目指す。 拡大
「コンチスポーツコンタクト5」でウエット路のハンドリングをチェック。優れた耐ハイドロプレーニング性と安定したグリップにより、ウエットでもスポーツドライビングが楽しめる。
「コンチスポーツコンタクト5」でウエット路のハンドリングをチェック。優れた耐ハイドロプレーニング性と安定したグリップにより、ウエットでもスポーツドライビングが楽しめる。 拡大
通常のガソリン車に48Vバッテリーとそれに対応するスターター/ジェネレーターなどを搭載することで、現在の“マイルドハイブリッド”以上の燃費向上が期待できる。
通常のガソリン車に48Vバッテリーとそれに対応するスターター/ジェネレーターなどを搭載することで、現在の“マイルドハイブリッド”以上の燃費向上が期待できる。 拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事