BMW 435iクーペ(FR/8AT)
Dセグメントクーペのお手本 2013.08.11 試乗記 今秋の日本導入が予定されているBMWの新型クーペ「4シリーズ」。Dセグメントクーペ作りの手だれが仕上げた、最新モデルの実力とは?モデルチェンジで名前も一新
Dセグメントのサルーンをベースにした2ドアクーペは、世界の成熟市場でそれなりのボリュームを持つカテゴリーだ。サルーンと同等に近いユーティリティーを、ある種のパーソナル性やちょっとしたステータスと両立したこのジャンルは、スポーツカーほどの主張はいらないけどスポーティーに振る舞いたいという、ちょっと保守的な層にとってちょうどいい選択肢ということになるのだろう。
そのカテゴリーにおいて、リーダーといえる内容と実績を示し続けているのがBMWだ。「2002ターボ」、そしてE30系「M3」の名声は、その地位を築き上げる上で大きな役割を果たした。ドアが少ないぶん廉価……という合理的な存在にみられていたこのクラスの2ドアクーペをスペシャリティーとして決定づけたのは、サッシュレスドアを持つ独自のキャビンデザインが与えられたE36系の「3シリーズクーペ」だろう。
ベーシックラインは奇数、スペシャリティーラインは偶数を車名に割り振るという直近の商品戦略にのっとって、BMWの新しいDセグメントクーペは「4シリーズ」を名乗ることになった。間もなくコンセプトモデルが現れるだろう、あのクルマも恐らくはクーペが「M4」を名乗ることになると予想される。その名に思い入れのある方は一抹の寂しさを感じるかもしれない。ベースモデルとは違う名を与えただけの進化は用意してあるというBMWの主張は、果たしてどんな印象をドライバーにもたらしてくれるのだろうか。