インフィニティが香港のブランドに!?
ただ、個々のクルマ以上にビックリし、考えさせられたのは、今後の日産全体のブランド戦略だ。筆頭は日産が誇るプレミアムブランド、インフィニティに関して。不肖オザワ、情けないことに注目してなかったが、2012年春にインフィニティの本社が横浜から香港に移転! そんなニュースあったっけ……って感じだが担当の石川さんいわく、「今インフィニティブランド全体を立て直している」最中で、アウディ出身の常務執行役員、ヨハン・ダ・ネイシン氏の英断でそうなったらしい。
もちろん開発部隊やデザイナーの大部分は相変わらず神奈川県厚木市にあるテクニカルセンターにいるが、いわゆる経営陣や開発トップが在籍するヘッドクオーターは香港に移転。表向きの理由は「日本のインフィニティというより、アジア発のインフィニティにする」ことで、もっとぶっちゃけた話、一番の理由は今世界で最も高級車が売れる国=中国をターゲットとするため。
なにしろ去年1年間でアウディが42万台、BMWが33万台、メルセデス・ベンツが20万台も売れた国で、一番伸びているBMWは日本の約6倍! そりゃ無視できないわけよ。プレミアムブランドとしては。
しかも現実にインフィニティが取れているシェアはわずか約1%で、そりゃ欧米を攻めるより、これからの中国に注力したくもなるわな。
実際、去年9月の尖閣問題で移転効果を早速実感。
「意図はしていませんでしたが、まったく影響なくて、これ(地の利)を使わない手はないなと」と正直な石川さん。
そもそも中国人でインフィニティが日本ブランドだと思っている人は少なく、香港イメージはどう考えてもポジティブに働く。その上、香港は中国であって中国でないイメージもあり、ある種“無国籍なアジアのメガシティー”。妖艶(ようえん)なイメージのインフィニティにふさわしいといえばふさわしい。

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』
-
NEW
ヤマハ・トリシティ300(CVT)【レビュー】
2021.1.26試乗記フロントに2つのタイヤが付いた、ちょっと変わったオートバイ。ヤマハが提案する新型三輪モデル「トリシティ300」に乗ったなら、普通の二輪車とはかなり違ったバイクライフが送れるに違いない。 -
NEW
トライアンフ・トライデント660
2021.1.25画像・写真トライアンフの新型モーターサイクル「トライデント660」が、東京・渋谷の「代官山 蔦屋書店」に展示された。新開発の水冷3気筒エンジンを搭載した、軽快なミドルクラス・ネイキッドモデルの詳細な姿を、写真で紹介する。 -
NEW
月に1度の特別なメールマガジン『月刊webCG通信』 EVは選べる時代! あなたのチョイスは?
2021.1.25From Our StaffwebCG執筆陣によるコラムや月間アクセスランキング、読者アンケートなど、さまざまなコンテンツを通して自動車業界の1カ月を振り返る『月刊webCG通信』。2月号では、ついに“選べる時代”を迎えた電気自動車について、読者の皆さまのご意見を大募集いたします! -
コロナ禍が売れるクルマを変えた? 自動車市場の2020年を販売データから振り返る
2021.1.25デイリーコラム日本全国が新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされた2020年。この年は、自動車市場にとってどのような一年となったのか? 各団体が発表した統計データから振り返るとともに、コロナ禍がもたらした自動車ユーザーの嗜好の変化を考察した。 -
スバルXVアドバンス(4WD/CVT)【試乗記】
2021.1.25試乗記フルモデルチェンジから3年を経て、再びの改良を受けた「スバルXV」。国内外の有力モデルがひしめくコンパクトSUV市場において、XVだけが持つライバルにはない魅力とは? わが道を行くスバル製クロスオーバーの、唯一無二の個性に触れた。 -
ロータス・エキシージ スポーツ410(前編)
2021.1.24池沢早人師の恋するニューモデル漫画『サーキットの狼』の作者、池沢早人師が今回ステアリングを握るのは「ロータス・エキシージ スポーツ410」。劇中で主人公・風吹裕矢の愛車として活躍した「ロータス・ヨーロッパ」のDNAを受け継ぐ、軽量ミドシップスポーツの走りとは?