ブランドなしで勝負せよ!

ところでそのフェラーリのマーチャンダイジング部門「フェラーリストア」は今年、最新コレクションに「Ferrari Pr1ma(フェラーリ・プリマ)」を投入した。担当者の話によると、最上のMade in Italyのクオリティーで勝負するため、あえて跳ね馬マークを表面から外したという。今年5月に誕生したばかりのコレクションなので、どういう結果をもたらすかはまだわからないが、勇気ある試みである。

それにちなんで、ひとつ注文をつけさせてもらおう。かくも多彩な広がりを見せる自動車ブランド時計だが、多くはケースやダイヤルに記されたブランド名やロゴを隠したら、どこのものか言い当てるのが難しい。
それらがなくても、どのブランドのものかすぐにわかる作品が出現すれば、それはデザイン的に本物だろう。

ちなみに想像力豊かなボクが、前述のラ・フェラーリの時計の時刻表示を見て思い出したのは、かつて「シトロエンCX」や「BX」などに付いていたボビン式メーターである。シトロエンが、あれを時計で再現してくれれば良かったのに。ああ、夢は広がるばかりである。

(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=SAMSUNG、NISMO、Ford、Ferrari、Akio Lorenzo OYA)

※お知らせ
2013年11月18日(月)渋谷・日伊学院にて大矢アキオの文化講座「イタリアの伝統工房・イタリアのプロダクト」が開催されます。 詳しくはこちらをご覧ください。

 

「シトロエンBX」の初期型のボビン式メーター。停止状態でも速度計がゼロを指さないのは、オーナーの間でよく知られたご愛嬌(あいきょう)で、ナセルをひとたたきすれば治った。
「シトロエンBX」の初期型のボビン式メーター。停止状態でも速度計がゼロを指さないのは、オーナーの間でよく知られたご愛嬌(あいきょう)で、ナセルをひとたたきすれば治った。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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