ホンダN-WGN 開発者インタビュー
ピッチャーゴロでは終わらない! 2014.01.09 試乗記 本田技術研究所四輪R&Dセンター LPL
主任研究員
人見康平(ひとみ こうへい)さん
軽自動車の主戦場、ハイトワゴンのジャンルに勝負を挑む「N-WGN」。強敵たちを相手にどんな作戦を練ったのか、開発責任者に聞いた。
開発コードは「ホームラン軽」
まず、業務連絡です。
人見さん、大丈夫ですよ〜。“あの発言”は使いませんでしたから。安心してお読みくださ〜い。
……というわけで、大変面白いインタビューだったのに、使えない話が多すぎるのだ。固有名詞は出せないし、過激な表現は直さなきゃならないし、困ったもんです。人見さんはサービス精神の旺盛な方で、キャッチーなフレーズがどんどん飛び出してくる。取材というより談笑していただけのような気もするけれど、クルマに対する情熱はビンビン伝わってきたのだ。
――「N-BOX」や「N-ONE」の好調を受けての登場ですが、「N-WGN」は強敵「スズキ・ワゴンR」「ダイハツ・ムーヴ」ともろに激突します。一番のボリュームゾーンですよね。
ど真ん中ですから。日本人は一番上でもなく一番下でもなく、中間が好きですよね。鉄火丼より海鮮丼を選ぶでしょ? このクルマは、鉄火丼の上にウニをのっけたような……。
――それって、おいしくなさそうですよ。
あ、そうか、今のはナシ!
――それはともかく、ここでコケると元も子もないですよね。プレッシャーがあったんじゃないですか?
目標を高くしておけば、大丈夫なんです。「ミラ イース」と同じ燃費でN-BOXと同じ広さにしようってハッパかけて、あとは担当が苦しめばいいんですから(笑)。開発時に、このクルマは「ホームラン軽」という名前だったんですよ。普通は「13.5ニューワゴン」とか無味乾燥な開発コードが付けられるんですが、これは打つ前からホームランが期待されていたわけです。ただ、途中で一度ピッチャーゴロになってしまって……。