クルマの馬力で変わる自動車税

検査を待っている間、いやな予感がよぎった。毎年1月は自動車税の支払い月でもあった。
パオロさんの民間車検場でも支払いができるというものの、旅行直後かつ現金払いの車検で、手持ちの現金が底をついていたボクは、その日は断念した。

イタリアで自動車税の支払いは、大きな街にあるイタリア自動車クラブ(ACI)、もしくはタバコ屋さんで可能だ。タバコ屋さんでは「ロットマティカ」と称する、ナンバーズくじ発行機ネットワークを借りて行うのが面白い。ただし、ボクの場合は、同様に徴税窓口となっている自動車専門の代書屋さん(プラティカ・アウト)が近所にあるので、そちらに赴くことにした。

自動車税は州税で、州ごとに税額が決められている。シエナ在住のボクの場合、トスカーナ州に払う仕組みだ。税額は対象車が欧州排ガス規制「ユーロ」の、どのグレードに属するかで変わってくる。低公害車はより割安になる計算だ。

ボクのクルマは最新のユーロ5より1段階低いユーロ4である。100kWまでは2.71ユーロ/kWの計算だ。それを超えた馬力には、4.26ユーロ/kWが加算される。出力103kWだと、 合計は283.78ユーロ。それに徴収手数料なるもの(1.87ユーロ)が加わって、285.65ユーロ(約4万円)であった。

ここまでで、車検と合わせて5万円近い出費だ。いずれもうっかり忘れていただけに、情けなくなってくる。すると代書屋さんのおばちゃんが、「税額は、去年と同じよ」と教えてくれた。郵便から高速料金まで、毎年1月1日に何から何まで値上げするイタリアにしては奇跡、ということで、そこはひとつ我慢することにした。

民間車検場の新人、アリーチェ嬢。
民間車検場の新人、アリーチェ嬢。 拡大
ちょっと前に撮影したパオロさんと夫人、そしてスタッフ。
ちょっと前に撮影したパオロさんと夫人、そしてスタッフ。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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