「セナ・プロ」でも作れる! ただし何10年か後に
一方の『ラッシュ/プライドと友情』、こちらはこちらで今までのクルマ映画を超えているような気がした。もちろん手法はオーソドックスよ。あくまでもニキ・ラウダとジェームス・ハントの確執や友情を描いた人間ストーリーで、『ゼロ・グラビティ』的ハイテク感はない。でもね……。
大抵のリアルな歴史ものはなんかお勉強っぽさが残り、逆に超ど派手なクラッシュ連続アクションものは大抵ウソっぽすぎる。ところが『ラッシュ/プライドと友情』はその塩梅が非常によろしい。こればっかりは、こちらも観てもらうほかはないのだけど、例えば、ニキ・ラウダはともかくジェームス・ハントは「ホントにこんな人なの?」と後で思ったほどの描かれ方だった。
ただ、F1ライターの人に聞いたり、資料を調べてみると「結構、あのまんま」(笑)。単純に昔のレーサーであり、そういう意味でも当時のF1はホントに面白かったってことが言えるわけだ。だからこれは変な話、ストーリーを今日まで寝かせておいた効果もあるのかもね。
ラウダとハントのバトルからもはや40年近くがたち、リアルな記憶は消えかけ、片方は亡くなってもいる。となると断片的な記憶やショックしか残っておらず、そこに改めてリアルストーリーをあえて濃いめに書くと心に響く。なんというかまずは酔っぱらい、そこにさらに濃い同テイストのお酒をかっくらうとガツンと効くようなものだろうか? かなり適当言ってますが(笑)。
マジメな話、あと20年もしたらアイルトン・セナとアラン・プロストで同じような映画が作れるのかもしれないと思った。あのクラッシュの原因の、リアルな追求も含めてね。

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』
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