レーサーの恐怖を最新の映像で表現したら……
しかし、あらためて思うけど映像の力はすごい。これは昔、某デザイナーが言っていたことだが、「人間、目と耳と鼻と舌のどれを残すか?」という選択に迫られると、人は大抵「目」を選ぶんだそうだ。おそらくその通りだよね。目が見えなくなるのと耳が聞こえなくなるのと鼻が利かなくなるのと味が味わえなくなることの、どれが一番つらいかって、恐らく目だ。もちろん超食いしん坊はは舌を残すのかもしれないけど(笑)。
それくらい人は目でいろんなものを楽しみ、愛で、なおかつ危険回避にも使っている。この感覚器官から伝わってくる情報次第によっては、人はものすごく気持ち良くもなるし、この上もなくツラクもなるってことだ。
ってなわけで、実は視覚でかなりの快楽が得られるクルマや運転という行為や文化や映画は、まだまだ進化するはずだと小沢は予感してしまった。とにかく今のCG技術やシミュレーション理論の進化はハンパではない。純粋にF1ドライバーが普段味わっている快楽と苦悩と勝利の喜びを『ゼロ・グラビティ』的表現方法で見せたらどうなるのか? あるいはクラッシュの体験を味わわせるだけでも、ものすごいではないか? アイルトン・セナの一生を、外からではなく、内面から見せるような映画というより、“人生シミュレーター”というべきに近いモノ。そんなのができたらものすごいことではないでしょうか。
ま、どこかの天才クルマ好き監督が、面白いクルマ映画を作ってくれることを期待してますよ!
(文=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』
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