フォード・エコスポーツ タイタニアム(FF/6AT)
不変のフォードイズム 2014.05.22 試乗記 世界的に右肩上がりのコンパクト・クロスオーバー市場に、ニューフェイスの「フォード・エコスポーツ」登場。待望の新型車に見る、今日のフォードの「美点」と「強み」とは?世界中で売れてます
2013年末から2014年前半にかけて、国内外でコンパクト・クロスオーバーの発売が相次いでいるのはご承知のとおりだ。フォード・エコスポーツもそのひとつである。
ここのところ、Bセグメントベースのクロスオーバーが激増しているのは、欧州市場でこのジャンルが数少ない右肩上がりのセグメントであることが大きい。しかも、この種のクルマは日本やアジア、南米ではそれ以前から根づいているし、巨大SUVの本場である北米でも小粋なパーソナルカーとして意外なほど売れている。つまり、このジャンルは世界中で売れる計算が立つ数少ない優良セグメントということである。
欧州でのBセグメント・クロスオーバーの草分けは、2003年に限定発売された「フォルクスワーゲン・ポロファン」だろう。その後06年には、フィアットもスズキからのOEMで「セディチ」を発売。08年にはトヨタが……と、ここまでは散発的な動きだったが、10年に「MINIカントリーマン(日本名:MINIクロスオーバー)」と「日産ジューク」が発売されたあたりから、欧州でコンパクト・クロスオーバーの増殖が一気に加速した。こうして見ると、このジャンルの確立に日本車の影響は小さくない。
欧州で昨年発売されたエコスポーツは、これらのなかでも後発の部類に入る。ちなみに、わが日本の「ホンダ・ヴェゼル」も、商品企画の当初から欧州やアジアでの販売を強く意識していたが、ふたを開けてみれば、北米からも引き合いがあるという。