ファッション性と機能性

クルマ好きなら気になるのは、ドライビングシューズであろう。このカテゴリーでも、見る者を楽しませてくれたブランドが数々あった。
まずは「HARRYS OF LONDON(ハリーズ・オブ・ロンドン)」によるモカシンのドライビングシューズ「JET DRIVER(ジェットドライバー)」の新作である。基本わずか3パーツで構成されたシンプルなストラクチャーにおける最大の注目点は、底から側面に向かって上がる個性的なラバーソールだ。
実際に作るのは、すでに同社と関係が深いイタリアのラバーソールメーカー「Vibram(ビブラム)」だが、今回のプロジェクトは彼らの深い関心を呼び起こし、ブランドサプライヤーの枠を超えた協力関係が築けたという。クリエイティブディレクターのケヴィン・マーテル氏の言葉を借りれば、その結果「足が完全に包み込まれる」感覚が実現できた。

いっぽう「ATLANTA MOCASSIN(アトランタ モカシン)」は、1987年ポルトガルに設立されたブランドである。最大のチャームポイントは、ドライビングシューズには珍しい、インソールに備えられたクッションだ。ベビーシューズから創業したメーカーならではである。子供靴や婦人靴もラインナップするため、家族全員トータルなルックで楽しめるのも強みという。受注による商品は、ペブルラバー(靴底のボツボツ)の色も選べる。日本で先に知名度を上げたドライビングシューズのブランドと比べ、よりリーズナブルな価格も魅力である。

「ハリーズ・オブ・ロンドン」クリエイティブディレクターのケヴィン・マーテル氏。「ジェットドライバー」の新作を紹介してくれた。彼の靴作りのフィロソフィー「デザインと機能性の両立」は、日本で主力となるボートシューズ「バーゼル」にも反映されている。
「ハリーズ・オブ・ロンドン」クリエイティブディレクターのケヴィン・マーテル氏。「ジェットドライバー」の新作を紹介してくれた。彼の靴作りのフィロソフィー「デザインと機能性の両立」は、日本で主力となるボートシューズ「バーゼル」にも反映されている。 拡大
インソールにクッションを備えた「アトランタ モカシン」のドライビングシューズ。
インソールにクッションを備えた「アトランタ モカシン」のドライビングシューズ。 拡大
「アトランタ モカシン」のオーダー物は、ペブルラバーの色も選べる。
「アトランタ モカシン」のオーダー物は、ペブルラバーの色も選べる。 拡大
参考までに、こちらはアストン・マーティンとフィレンツェの高級靴メーカー「PAKERSON(パーカーソン)」とのコラボレーションによるコレクション。カーボンパターンのソールや、車両内装と同じステッチ間隔など、アストン好きにはたまらないスペックだ。
参考までに、こちらはアストン・マーティンとフィレンツェの高級靴メーカー「PAKERSON(パーカーソン)」とのコラボレーションによるコレクション。カーボンパターンのソールや、車両内装と同じステッチ間隔など、アストン好きにはたまらないスペックだ。 拡大
「パーカーソン」の創業家4代目であるガブリエレ・ブルッティーニ氏。「ぜひこれを履いて、アストンをドライブしてほしいですね」。
「パーカーソン」の創業家4代目であるガブリエレ・ブルッティーニ氏。「ぜひこれを履いて、アストンをドライブしてほしいですね」。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。21年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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