「飛び道具」はありません

まずお話を伺ったのは、ドライビングダイナミクス担当のクリスチャン・シャイノスト氏。この方、話し方がなかなかノラリクラリとしていて、ハッキリとモノを言わないタイプだった(笑)。

小沢:2シリーズ アクティブツアラー、乗ってみましたけど実によくできています。特にステアリングフィールがいい。一体、どうやってFF、FRの壁を打ち破ったんですか?

シャイノスト:ポイントはエンジンとステアリングギアボックスとタイヤの3つの関係で、特にフィードバックに関するシステムにあります。電動パワーステアリングのソフトウエアには基本的に「MINI」と同じモノを使っています。厳密に言えば違いはありますが、サプライヤーは同じです。

小沢:やはりMINIの影響は大きいですか?

シャイノスト:ノウハウは役にたっています。

小沢:今回、実はBMWはMINIの経験もあり、楽しいFFの極意というか、キモみたいのに気づいたんじゃないかと思うんですが。そのディテールを教えてください。

シャイノスト:グレードにもよりますが、前後重量配分は58:42から61:39の間。一般的な前輪駆動の作りで、それに合うソフトウエアにしています。それからステアリングギアレシオは15.7とクイックで、ピニオンギアは一般的なFFはデュアルですが、アクティブツアラーはシングルピニオンです。これにより、よりダイレクトな手応えが得られます。

小沢:なるほど。そのほかには。

シャイノスト:後はサスペンションに専用チューニングを施したのと、サスペンションまわりのフリクションを徹底的に取り去りました。本当にそれだけです。

小沢:ウーム……ありがとうございました。

一応、特別なチューニングというより、FFとしての基本性能を磨き、加えてパワステのフィードバックプログラム……つまり電子制御でフィーリングは相当良くなるということのよう。しかし、まだどこか納得いかない。そこで今度は、ヴィークル・インテグレーションのアグスティン・ゴンザレス氏に率直な言葉をぶつけてみた。

小沢コージ(左)と、「2シリーズ アクティブツアラー」のドライビングダイナミクスを担当したクリスチャン・シャイノスト氏。
小沢コージ(左)と、「2シリーズ アクティブツアラー」のドライビングダイナミクスを担当したクリスチャン・シャイノスト氏。 拡大
ステアリングフィールを向上させるため、ピニオンギアをシングルにしたりギアレシオをクイックにしたりと、さまざまな工夫を採用。電子制御プログラムによるフィーリングの演出も一役買っているのだとか。
ステアリングフィールを向上させるため、ピニオンギアをシングルにしたりギアレシオをクイックにしたりと、さまざまな工夫を採用。電子制御プログラムによるフィーリングの演出も一役買っているのだとか。 拡大
前後重量配分は、おおむね前:後ろ=6:4。残念ながら(?)BMW伝統の50:50ではない。
前後重量配分は、おおむね前:後ろ=6:4。残念ながら(?)BMW伝統の50:50ではない。 拡大
小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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