大事なのはBMWクオリティー

小沢:つまり、今やFFでも技術的にいいクルマ、走りが楽しいクルマを作るのは可能になったということなんでしょうけど、これまで「BMW=FR」でやってきて、ユーザーとしては多少裏切られたというか、ブランドイメージが壊れるような気もするんですけど、そこはいかがですか?

ゴンザレス:われわれは常にそう言われ続けてきました(笑)。SUVの「X5」に取り組んだ時にも、MINIを出した時にも「BMWらしくない」と言われましたが、実際はどうでしょう? BMWのイメージは薄くなってますか? なってないですよね。どんなクルマを作るにしてもBMWは走りの楽しさを追求してますし、それはお客さまがなによりご存じです。

小沢:今までMINIを10年以上やってきて、そのノウハウが蓄積されたからアクティブツアラーも出てきたと考えていいんでしょうか?

ゴンザレス:その質問には答えられません。ただ、どんなクルマを作るにしても、BMWのイメージを出すのが常に大切です。フィーリングはダイナミクスで決まるんです。

小沢:では強いてあげるとすると、BMWの開発現場はやはりテストドライバーの権限が強い。技術うんぬんよりテストドライバーが楽しいと思わない限りそのクルマを出さない。あくまでも最後は人間のフィーリングで判断するからBMWの楽しさは保証されていると。そう考えればいいんでしょうか。

ゴンザレス:その通りです。BMWはテストドライバーの意見を重要視していますし、なにより楽しさは理屈じゃなくて、感じるものですから。

……ってな具合に、最後は答えをゴーインに言わせちゃった感もあるが、要するに2シリーズ アクティブツアラーのFFっぽくない楽しさは、電制パワステのフィードバック技術などもあるようだが、それ以上にマジメな作り込みとBMWのセンスのたまものということのよう。いまだ不肖小沢としては、BMWがMINIで何がしかの黄金律というか、今までのFF車にはないキモを見つけたような気がしているが、それが本当にあったにせよ簡単には教えてくれないんでしょう。

BMWがFF化に踏み切ったのは、おそらくFFでも「BMWクオリティー」が実現できると踏んだからで、そこにはMINIの経験があったはず。実際、パーツの数多くはMINIとコンセプトを共有する。そこの関係は否定してもし切れない。

とにかくFRを超えた!? とまでは言わないが、FFとは思えないハンドリングの楽しさ、フィールの豊かさを味わわせてくれたアクティブツアラー。気になる方は、年内には入ってくるらしいので実際確かめてもらうほかはないですな!

(文=小沢コージ/写真=小沢コージ、webCG、BMWジャパン)
 

プレゼンテーションにて、ステージ上で紹介される「2シリーズ アクティブツアラー」の開発メンバー。左から3番目が、今回話を聞いたアグスティン・ゴンザレス氏だ。
プレゼンテーションにて、ステージ上で紹介される「2シリーズ アクティブツアラー」の開発メンバー。左から3番目が、今回話を聞いたアグスティン・ゴンザレス氏だ。 拡大
現行モデルで3代目となる「MINI」。「2シリーズ アクティブツアラー」には、このクルマのプラットフォームが用いられている。
現行モデルで3代目となる「MINI」。「2シリーズ アクティブツアラー」には、このクルマのプラットフォームが用いられている。 拡大
実際に運転してみると、FFらしからぬ走りに脱帽。気になる人も「FFのBMWなんて……」と思う人も、ぜひ一度お試しあれ。
実際に運転してみると、FFらしからぬ走りに脱帽。気になる人も「FFのBMWなんて……」と思う人も、ぜひ一度お試しあれ。 拡大
 
第17回:こんなんじゃ全然納得できない!!「BMW 2シリーズ アクティブツアラー」FF化のナゾを直撃!の画像 拡大
小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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