その差、明確

はっきり性能向上が体感できるのは氷上だ。GIZとG5を何度かずつ交互に約20km/h走行からフルブレーキングしてみた。プリウスはブルブルブルと激しくABSの振動と音をさせながら減速していくのだが、GIZのほうが完全にクルマが停止するまでのブルブルの時間が少なかった。制動距離の差は計測できなかったが、トーヨータイヤのテストによると10%短くなったそうだ。

旋回テストでは雪上と同様の印象を抱いた。すなわちガリットG5よりもガリットGIZのほうがグリップの限界をつかみやすい。少しずつスピードを上げながらロック直前付近まで切った状態で旋回するテストを繰り返すと、あるスピードでグリップを失うのだが、その瞬間が唐突にやってきたG5に対して、GIZだと「そろそろグリップの限界だな」→「ああグリップを失ってきた」→「もうダメ」という流れをつかむことができた。災害と一緒で予兆がわかれば対策しやすい。そろそろグリップを失うなとわかればスピードを下げることができるので安全につながる。

交通事故を起こさないために、ドライバーの技量もタイヤのグリップ力も、限界の一歩か二歩手前にとどめておくことが大前提だとすると、スタッドレスタイヤにとって、グリップの限界をドライバーにわかりやすく伝えるという特性は、絶対的なグリップ力を高めることと同じかそれ以上に大事な性能なんじゃないだろうか。その点、ガリットGIZはスタッドレスタイヤ進化の新たなフェーズに足を踏み入れているのかもしれない。

(文=塩見 智/写真=東洋ゴム工業)

もう一台のテスト車、「トヨタ・プリウス」。
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タイヤサイズは195/65R15。
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