凶悪顔の遠藤憲一と北村一輝が出演

イコ・ウワイスがシラットを紹介するためにヨーロッパを回っていた時、イギリス人監督のギャレス・エヴァンスと出会ったことで『ザ・レイド』が生まれた。アクション映画マニアの監督は、彼の類いまれな才能を見逃さなかった。小柄でそれほど強そうには見えないのだが、技にキレがあって映像向きだ。妻を愛し、職務には忠実なストイックな警官役が、ピッタリとハマった。

ラマは死闘の末に麻薬王に勝利するが、映画の評判がよかったせいで続編が作られることになってしまった。彼には、さらに過酷な試練が待っている。麻薬王は倒したものの、警察の上層部には黒社会とつながる勢力があった。本当の悪者はのうのうと生き延び、犯罪の温床はそのまま残ったのである。ラマには、潜入捜査のミッションが与えられた。組織に入り込むため、ユダという偽名で暴力事件を起こし、服役していたボスの息子に刑務所内で近づくことに成功する。

信頼を得て、出所後は組織で働くことになる。この街では、インドネシアマフィアと縄張りを分けあって共存する勢力があった。『ザ・レイド GOKUDO』のタイトルが示すように、極道、つまり日本のヤクザである。3人の日本人俳優が、重要な役で出演している。組長ゴトウが遠藤憲一、彼の右腕リュウイチが北村一輝だ。凶悪な顔つきでは、インドネシアの悪者に負けていない。

北村はギャレス・エヴァンスが製作した日本・インドネシア合作映画『KILLERS/キラーズ』にも出演していて、女性を殺害する映像をネットで中継する異常者を演じていた。香港映画の『スピード・エンジェルス』では卑劣な手を使っても勝とうとするレーシングチーム監督役だったし、アジア圏ではヤバい人のイメージが定着しそうで心配だ。

この2人以上にワルそうだったのが、ゴトウの息子ケンイチ役の松田龍平だ。『あまちゃん』のミズタクと同じ雰囲気でひょうひょうとしているのだが、何のためらいもなく悪事を行う恐ろしさを持っている。長編海外映画への出演は初めてになるが、今後オファーが増えそうだ。

(C)2013 PT Merantau Films
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第87回:今度は極道が敵! インドネシア発新感覚アクション『ザ・レイド GOKUDO』の画像 拡大
 
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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