ふたりのアーティストに聞く

ここに紹介するのは、ヨーロッパにおける2人のRAV4ユーザーである。
ひとり目は、イタリア・フィレンツェ郊外に住むカテリーナ・ゴッジョリさんだ。伝統産品であるマーブル紙の工房を主宰している。

「仕事で使う紙の仕入れ、作品の納品、子供の送り迎えから、家族で飼っている馬の飼料運びまで、毎日”ラヴ・クアットロ”をフル活用していますよ」。

彼女にとって、3代目RAV4は生活になくてはならないツールだ。
クライアントである文房具店があるのは歴史的旧市街、いっぽう彼女が拠点を構えるのは、山あいにある地域で、未舗装路も少なくない。そうしたコントラストが強いふたつのエリアで、スタイリッシュかつ、ロードクリアランスの高いRAV4は、うってつけなのだ。
サイドにはいくつかへこみがあり、ナンバープレートはエッジが曲がっているが、逆に彼女の徹底したRAV4使いがうかがえて痛快である。

ふたり目は、フランス・パリのダルコ氏だ。
職業はグラフィティ・アーティスト。かつて鉄道敷地内の壁面にスプレーペイントで作品を描いたことにより、フランス国鉄から訴えられた。しかし後年、作品のアート性が認められ、今度は同社から駅の改装に合わせて作品を依頼されたという、異色の経歴の持ち主だ。パリのポップアート界では知られた人物である。

彼の相棒は2代目RAV4のターボディーゼル仕様だ。
「ヨーロッパ各地で制作する機会も多い。どこでもこの“ラヴ・キャトル”で出掛けてゆくよ」と語る。
筆者の目の前でダルコ氏は制作途中の作品に塗料を吹きかけながら、「スプレーペイントは、自らのジェスト(身ぶり)を最も作品に反映しやすいツール」と説明する。
彼がパリ西郊のアトリエ近く、狭い住宅街で、RAV4をきびきびと操る姿にも、作品制作をしているときに共通するリズムを感じた。

伝統工芸とポップアート、RAV4は、その双方のアーティストを魅了している。

フィレンツェ在住のカテリーナ・ゴッジョリさんと、愛車である3代目「RAV4」。
フィレンツェ在住のカテリーナ・ゴッジョリさんと、愛車である3代目「RAV4」。 拡大
カテリーナさんはマーブル紙工房を営んでいる。これは図柄を紙に転写しているところ。
カテリーナさんはマーブル紙工房を営んでいる。これは図柄を紙に転写しているところ。 拡大
カテリーナさんの「RAV4」からは、日々欠かさず共にしているムードが漂う。
カテリーナさんの「RAV4」からは、日々欠かさず共にしているムードが漂う。 拡大
ダルコ氏と2代目「RAV4」。
ダルコ氏と2代目「RAV4」。 拡大
パリ・グラフィティ・アート界の第一人者。作品制作の依頼があると、ヨーロッパ各地どこでも「RAV4」で赴く。
パリ・グラフィティ・アート界の第一人者。作品制作の依頼があると、ヨーロッパ各地どこでも「RAV4」で赴く。 拡大
「スプレーは自分のジェストを最も反映できる画材」と語る。
「スプレーは自分のジェストを最も反映できる画材」と語る。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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