レクサスRC F(FR/8AT)
“正しい”スポーツクーペ 2015.02.10 試乗記 「笑顔になれるスポーツカー」をキーワードに開発したという、レクサスのハイパフォーマンスモデル「RC F」。乗ってみたら、どうだった? その実像を報告する。キモはセクシーなV8エンジン
いきなり結論から入ると、レクサスRC Fは非常にすばらしいスポーツクーペだ。どれくらいすばらしいかというと、個人的には、買うなら「BMW M4」よりこっち! と思うほどすばらしい。
最大の魅力は、5リッターV8自然吸気エンジンにある。
スポーツカーの魅力の源泉は、1にエンジン、2にカッコにあると確信する。エンジンこそ命だ。すばらしいエンジンをブチ回し、その燃焼を肌で感じる瞬間がスポーツカーの醍醐味(だいごみ)だよね。
もちろんハンドリングに重心を置く方もいらっしゃるだろう。しかし私はエンジンが好きだ。好きだというのも変だがエンジンフェチなのです。エンジンはクルマを7割くらい決定する。クルマはエンジンさえよければいい。フェラーリの魂はエンジンにある。エンジンさえよければ直進安定性なんかどうでもいい。ブレーキなんて利かなくたっていい。そう書くと極端ですが、そういう極端なエンジンフェチの私からすると、レクサスRC Fの5リッターV8自然吸気エンジンは、世界のスポーツクーペの中で、かなり上位にくるセクシーさがある。
実を言うとセクシーなのは5000rpmより上だけで、フツーに走らせているとまったくフツーのエンジンに感じる。静粛性も高すぎるし、ただのオッサングルマにすら思えてくる。
それが、アクセルを床まで踏み抜いてエンジンをブチ回すと、「ダリュリュリュリュリュッ~~~~」と咆哮(ほうこう)しまくって、この世で最もゼイタクな、大排気量自然吸気エンジンのパワーの高まりをビンビン感じることができるのだ。それとシンクロするわが魂の燃焼。「このまま死んでもいい」と思うこの瞬間がスポーツカーだよね。