開通したら自動運転車?

ちなみに、佐渡氏が発見した“ウイスキー看板”は、シエナとティレニア海沿いのグロッセートを結ぶ国道の4車線化工事現場にある。先日ボクが、シエナのわが家から東に向かい、中部のマルケ州に運転して行ったときも、国道バイパス建設工事現場に、このNATOフォネティックコードが使われていた。

東京近郊で公共交通機関による南北移動が意外に手間取るのに似て、イタリアでは東西の海を結ぶ移動が自動車・鉄道とも困難だ。それを解決するために今、各地で工事が進められている。
ただし、冒頭のような山あい谷あいの地形に加え、常に不足する予算、さらにはマフィアの関与をいかに排除するかといった課題が山積し、初期計画どおりに進まないのが歯がゆいところだ。「全線開通した暁には、ボクは自動運転車で走っているんじゃないかい?」と、限りなく冗談と真面目の境があいまいな想像を巡らせてしまう。もうしばらくドレミの歌になぞらえて、「ウはウイスキーの、あ~ウーッ!」などとマンボボイスで発散しながら運転する必要がありそうだ。

(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

看板はアルファベット順になっている。これは「YANKEE」。
看板はアルファベット順になっている。これは「YANKEE」。 拡大
Zは「ZULU」。南アフリカで、かつては王国も形成していた民族(ズールー族)のことである。
Zは「ZULU」。南アフリカで、かつては王国も形成していた民族(ズールー族)のことである。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

あなたにおすすめの記事
新着記事