マツダCX-5 XD Lパッケージ(4WD/6AT)/トヨタ・ハリアー プレミアム“アドバンストパッケージ”(4WD/CVT)
“ドライバーズSUV”に大事なこと 2015.03.20 試乗記 大規模なマイナーチェンジを受けて、デザイン、機能性、快適性、そして走りと、あらゆる領域で一段と腕を上げた「マツダCX-5」。ステアリングを握る者を走りへと誘う“ドライバーズSUV”としての資質も同時に高まったのだろうか。このカテゴリーのベストセラーカー「トヨタ・ハリアー」と比較してみた。「モノ造り革新」があればこそ
2012年にデビューしたマツダCX-5は、マツダにとって記念すべきモデルだ。SKYACTIVテクノロジーを全面的に採用した、最初のクルマだったからだ。その出来栄えはなかなかのもので、運転して楽しい、マツダらしいSUVに仕上がっていた。
デビューから3年を経て、そのマツダCX-5が大がかりなマイナーチェンジを受けた。その変更内容は、同じタイミングで変更が施された「アテンザ」に準じる。すなわち、内外装デザインが洗練され、乗り心地や静粛性が向上した。マツダが「i-ACTIVSENSE」と呼ぶ安全装備が進化したことも、アテンザと共通である。
マイチェン後のマツダCX-5のインプレッションを記す前に、マツダいうところの「モノ造り革新」について説明しておきたい。このクルマ作りに対するマツダの考え方を理解しておくと、最近のマツダ車の評価が高い理由や、このタイミングでCX-5に大きく手を加えた理由が見えてくるはずだ。
「モノ造り革新」の中に、「コモンアーキテクチャー」という製品を設計するにあたってのコンセプトがある。
これは、車格や排気量が違っても、基本コンセプトは共通にするという考え方。例えば「デミオ」とCX-5はボディーの大きさもエンジン排気量も異なる。ただし、エンジンの燃焼特性や、衝突時の力の伝わり方は同じ。つまりデミオとCX-5は、相似形ということになる。
「モノ造り革新」のなかにはもうひとつ、「一括企画」という重要なコンセプトがある。これは、個別の車種に向けてではなく、全社一丸となって技術開発を行い、完成した技術を順次採用していくというものだ。したがって、CX-5やアテンザより先にデミオに採用される技術もあるし、完成した技術はマイナーチェンジのタイミングでどしどし採用される。
確かに最近のマツダのラインナップには、マツダ味というか広島風味というか、共通した手触りがある。上から下まで、各モデルのデザインやドライブフィールに統一感があるあたり、メルセデス・ベンツやBMWのラインナップ構成を思わせる。これは「コモンアーキテクチャー」という考え方が浸透しつつあるからだろう。
また、発表から2年というタイミングで思い切った変更を加えるあたりには、「一括企画」の影響がうかがえる。
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