ふたつのオペルCM

街のオペルディーラーに目を移すと、目下イチ押し車種といえば、2014年のパリショーでデビューした「オペル・コルサ」である。その新型コルサのCMがちょっと面白い。
2015年1月から欧州で放映されているもので、ドイツ人モデルのクラウディア・シファーを起用した「OH!」と題したシリーズだ。

ひとつめは「スタジオ編」である。女優がヘアメイクをしてもらっている最中、クラウディアから電話が入る。どうやらクラウディアは新しいクルマを買ったらしい。そして女優は受話器の向こうでクラウディアが話していると思われる内容を、脇にいる男性ヘアアーティストにも聞こえるよう繰り返す。「ステアリングヒーター、パークアシスト、リアビューカメラ……」。直後に女優は、クラウディアが買ったクルマの名前を知る。

もうひとつは「レンタカー編」だ。空港のレンタカーカウンターにやってきたひとりの紳士。女性従業員が「タッチ式ナビ、パークアシスト、ステアリングヒーター……」とレンタカーの装備を説明する。紳士は満足げだ。

実は両CMとも、そこから意外な展開となる。
「スタジオ編」の女優はクルマのブランド名を聞くなり、あぜんとする。そして送話口から口を遠ざけ、男性ヘアアーティストに、くちパクで「O、P、E、L」と告げる。彼も即座に困惑の表情を浮かべる。
「レンタカー編」の紳士は、女性従業員からオペルのキーを差し出された瞬間、こちらも困惑する。いや、それを通り越して明らかに「嫌な顔」だ。

「カール」のリアスタイル。全長は3.68メートル、全高は1.48メートル。
「カール」のリアスタイル。全長は3.68メートル、全高は1.48メートル。 拡大
「カール」の姉妹車、英国ボクスホール版には、懐かしい「ヴィヴァ」の名前が与えられている。
「カール」の姉妹車、英国ボクスホール版には、懐かしい「ヴィヴァ」の名前が与えられている。 拡大
「ヴィヴァ」を担当していたコンパニオン。
「ヴィヴァ」を担当していたコンパニオン。 拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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