いきなりインターセプターが横転

新作は、『マッドマックス2』を継ぐ物語である。『2』では最後にインターセプターが爆発してしまい、3作目の『サンダードーム』には登場しない。『デス・ロード』には冒頭からあのモンスターマシンが爆走する。マックスは双頭のトカゲを踏みつぶして生でバリバリ食べてしまうから、世界はそうとうひどいことになっているらしい。59歳になったメル・ギブソンはシリーズを卒業し、マックス役はトム・ハーディが務める。以前に紹介した『イタリアは呼んでいる』の中では滑舌の悪さがさんざんこき下ろされていたが、この映画では問題ない。ほとんどしゃべらないからだ。

トカゲを食べたあとすぐにマックスは装甲バギー軍団に追いかけられ、インターセプターは横転してしまう。彼もとらわれの身になってしまうのだ。襲ってきたのはウォーボーイズと呼ばれる集団で、坊主頭に白塗りという姿だ。暗黒舞踏っぽいイメージもあるが、映画『呪怨』シリーズの俊雄クンにも似ている。彼らが崇拝しているのが、イモータン・ジョーと呼ばれる老人だ。衰えた肉体に筋肉めいたヨロイをまとい、ドクロっぽいガスマスクをつけている。

『2』ではホッケーマスクを付けたヒューマンガスが悪の親玉だったが、イモータン・ジョーはもっと凶悪な姿である。演じているのはヒュー・キース・バーンで、第1作でトーカッター役だった俳優なのだ。あの時は生気のみなぎった屈強なならず者だったが、今度は威厳を備えた悪のカリスマだ。彼は水と食料を支配し、独裁者として君臨している。ウォーボーイズにとっては、イモータン・ジョーのために戦って死ぬことが最高の名誉なのだ。

副官として絶大な信頼を得ているのが女戦士フュリオサだ。シャーリーズ・セロンが坊主頭に黒いオイルを塗って熱演している。戦いの中で傷ついたらしく、左腕は義手だ。それでも戦闘力は高い。重大な使命を託された彼女がイモータン・ジョーを裏切り、ウォータンクで逃亡を企てたことで壮絶な戦いが始まる。

(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
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第101回:狂気は衰えず――常軌を逸したマシンが爆走する!『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の画像 拡大

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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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