音への配慮も万全

そんな両グレードに積まれるエンジンは、一部補器類などを除いて、本体は基本的に同一の構造。そのうえで、カレラ用(最高出力:370ps、最大トルク:45.9kgm)とカレラS用(420ps、51.0kgm)とでアウトプットが異なるのは、ターボチャージャーの容量やエキゾーストシステム、エンジンマネジメントシステムなどの違いによるものだという。

燃焼室の中央直上にインジェクターを配すなど、全面新設計が図られたシリンダーヘッドや、プラズマビームによるシリンダー面の鉄コーティング、吸気側バルブのリフト量&タイミングの可変制御や、排気側バルブのタイミング可変制御、さらには新たなポリマーを用いたオイルパンなどは、どちらのエンジンにも共通するテクノロジーだ。

ところで、排気量が下げられたうえに、2基のターボユニットによって排ガスのエネルギーが“回収”されると聞くと、多くの人は、そのサウンドの質を危惧するはず。実際、ダウンサイジング+ターボによって音の魅力が大きく損なわれたF1マシンのような例もある。特にポルシェ911のように、「音もアイコンのひとつ」という歴史あるモデルにとって、いくらパワーと燃費が向上したといっても、“あの音”が少しでも損なわれるようなことになれば、長年のファンは決して納得するはずがない。

そこで「エモーションこそが重要」と語るポルシェ開発陣は、そんな心配と期待に応えるべく、今回の新型に3種類のエキゾーストシステムを開発した。
ひとつはベースグレードのカレラ用で、もうひとつが2つのフラップを内蔵するカレラS用。さらにオプションアイテムとして、中央寄りに配されたデュアルテールパイプが見た目にも特徴的な、可変スイッチ付きの「スポーツエグゾーストシステム」が両グレードに設定されている。

同時に、キャビン内に魅力的なサウンドを導く「サウンドシンポーザー」も採用。ただし、それは音の伝わる経路を効果的に変化させるもので、「スピーカーからのエンハンスなど、デジタル的なアイテムは用いていない」という。

新開発の3リッター水平対向6気筒エンジンは、アウトプットの異なる2タイプが用意される。
新開発の3リッター水平対向6気筒エンジンは、アウトプットの異なる2タイプが用意される。 拡大
やや横方向から見た、新型「911」のカットモデル。
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「スポーツエグゾーストシステム」の展示。スポーティーなサウンドをもたらす一方で、クルージングの際などには、静かで控えめな走行スタイルにも対応できるとのこと。
「スポーツエグゾーストシステム」の展示。スポーティーなサウンドをもたらす一方で、クルージングの際などには、静かで控えめな走行スタイルにも対応できるとのこと。 拡大
 
第311回:「ポルシェ911カレラ」が衝撃のリニューアル! ターボ化した新型の実像に迫るの画像 拡大
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