メルセデス・ベンツA250シュポルト 4MATIC(4WD/7AT)/メルセデスAMG A45 4MATIC(4WD/7AT)
変化は小さく、進化は大きく 2015.10.08 試乗記 デビューからはや3年、「メルセデス・ベンツAクラス」がマイナーチェンジを受けた。快適性とダイナミックさという相対する要素を同時に高めたという最新型の実力を、ドイツ東部の街・ドレスデンで探った。小さな違いは大きな違い
メルセデス・ベンツAクラスといえば、かつては2重フロアを採用した、全長が短く全高が高い実験的なコンセプトのハッチバックだったが、2012年に登場した現行モデルは、これまでとは打って変わって典型的なCセグメントのハッチバックといえるシルエットで登場した。この方針転換が大成功し、Aクラスは大ヒット。プラットフォームを共有する「Bクラス」「CLA」「GLA」「CLAシューティングブレーク」などとともに、メルセデス・ベンツの販売台数増に大きく貢献した。
登場から3年が経過し、初めてとなる大規模な改良が加えられた。といっても、見た目の変化は最小限にとどまる。フロントはバンパーとヘッドランプユニット内部のデザインが変わり、リアもコンビランプとテールパイプ一体型のバンパーのデザインが少し変わった程度。プレスカンファレンスのプレゼンターは「ここへきて2011年にコンセプトカーとして登場した『コンセプトAクラス』のデザインに近づいた」と言っていたが、それがどんなだったか思い出せない。ともあれ、評判のよいスタイリングをわざわざ変える必要はないという判断だろう。インテリアもほとんど変わっていない。
多くの試乗車に使われていた「エルバイトグリーンメタリック」という新しいボディーカラーは、写真だと艶っぽいアマガエルみたいに見えるかもしれないが、実際にはかなり落ち着いたグリーンで、美しい街並みのドレスデンに似合っていた。老若男女だれにでもオススメできる色だ。日本仕様にも必ず入れていただきたい。
今回は、旧東ドイツのドレスデンを拠点に、一般道、サーキット、アウトバーンという3つのステージで、日本仕様の上位2モデルとなる「A250シュポルト 4MATIC」と「AMG A45 4MATIC」に試乗した。