シトロエンC5ツアラー ファイナルエディション(FF/6AT)
たまらなく いとおしい 2015.11.02 試乗記 ハイドラクティブサスペンションを搭載する最後のモデル「C5ツアラー ファイナルエディション」に試乗。シトロエン独自の油圧サスペンションシステムがもたらす、乗り心地の妙味を報告する。もう新車では買えない!?
シトロエンの“ハイドロ”の歴史がもうすぐ終わる。ここでいうハイドロとはシトロエンマニアのかたがたが使う俗称であり、1955年の「シトロエンDS」で初登場した“ハイドロニューマチック”と、89年の「XM」からの電子制御版“ハイドラクティブ”を合わせた総称の意味をもつ。
現行のハイドロ・シトロエンは「C5」だけだが、その次期モデル、および今後の新型シトロエンのいずれにも、ハイドロが搭載されないことが、公式にアナウンスされたのだ。
欧州では現在もC5(のディーゼルモデル)が販売中であるものの、日本仕様の生産はすでに終了。その日本向け最終ロットを特別装備の「ファイナルエディション」として、セダンとワゴン(ツアラー)でそれぞれ30台ずつ、計60台が売り出された。
聞くところでは、インポーターのプジョー・シトロエン・ジャポンにファイナルエディションの在庫はすでにない。ディーラーの市中在庫を公式に確認するすべはないが、発売時期(2015年5月19日)やネットの書き込みなどを見ると、完売した可能性が高い。つまり、日本ではもうC5正規モデルの新車を購入することはできず、日本におけるハイドロの歴史はすでに終わった……ということになる。
ちなみに、今回の試乗車となったファイナルエディションは、従来の上級グレード「エクスクルーシブ」をベースに18インチホイール(本来は17インチ)を履かせたもの。外板色には人気のメタリック/パールカラーの2種類あり、延長保証2年プランがオマケについた。メタリック/パールカラーと延長保証で、合計で約22万~25万円相当のオマケがついて、セダンで480万円、ツアラーで502万5000円というファイナルエディションの価格は、従来のエクスクルーシブより10万6000円も安かった。……という説明をしたところで、シツコイようだが、もう買うことはできない。