シボレー・ソニック LT(FF/6AT)【試乗記】
個性的なアメリカンコンパクト 2011.11.20 試乗記 シボレー・ソニック LT(FF/6AT)……198万円
シボレーブランドの新しい5ドアハッチバック「ソニック」が日本に導入された。GMが“ワイルド・コンパクト”とうたう新型はどんなクルマ? 早速試乗した。
シボレーは永久に不滅です
GMが誕生した頃の話を少しだけ。シボレーはGMのブランドのひとつだが、もともとは別の会社だった。GMは創設者のウィリアム・C・デュラントが1908年にビュイックを買収して自動車製造に乗り出した会社。その後もオールズモビルやキャデラックなど、次々に自動車メーカーを買収し、世界最大の自動車メーカーとして君臨した。ただし、デュラントはGM創設の2年後、銀行団から融資を受ける代わりに経営権を失う。
彼が再びGMの経営者に返り咲くべく画策したのがシボレーの買収だった。軽快で安価なクルマを試作したフランス人のルイ・シボレーを支援し、1911年にシボレー社を設立、次々にヒット作を飛ばした。しばらくしてデュラントは市場で人気を得たシボレー株とGM株を交換すると宣言。シボレー株を手に入れようと彼の前にGMの株主が殺到し、デュラントはGMのトップに返り咲いた。山崎清の著書『GM−巨大企業の経営戦略』(1969年中央公論社)にそう書いてあった。
その後、大きな不況がやってきて、彼は再び失墜するのだが、それはいいとして、ようするにシボレーは、歴史あるブランドを多々所有してきたGMにとっても、特に大事なブランドなのだ。それが証拠に、2009年に経営破綻した前後、他の自動車メーカーの株を次々と手放し、資本提携を解消し、自らのブランドをいくつも廃止したが、ビュイック、キャデラック、それにシボレーだけは何があっても手放さなかった。