MINIクーパーSクラブマン(FF/8AT)
大きいことはいいことだ 2016.01.12 試乗記 モデルチェンジを機に、これまでより上位のプレミアムコンパクトクラスへと階級を移した「MINIクラブマン」。パワフルな「クーパーS」に試乗してみると、大きく立派になったことで得られた新型の長所が見えてきた。名は体を表さない
2015年11月に国内発売となった新型MINIクラブマンは、ずいぶん大きくなった。日本人のカワイイ概念を超えている、と私は思う。BMW MINIとしては2代目となるクラブマン、初代から全長で290mm、全幅で115mmもボディーを拡大し、フォルクスワーゲンでいうと「ポロ」から「ゴルフ」クラスへと階級を上げた。ホイールベース2670mmは、2635mmのゴルフよりも長い。
これでミニといえるだろうか?
オリジナルMINIは、全長ほぼ3m、全幅は1.4mをちょっぴり超えるだけの小ささだった。ホイールベースはほぼ2m。と数字にしなくても、街で見かけるからご存じとは思いますが、申し上げたいのはこのことである。
MINIがミニでなくなってどうする?
それは言葉と意味のつながりがなくなるということだ。「ミニスカート」はミニだからミニなのである。じゃあ、ミニでいくから、と女子に言われて会いに行ったら、今日はさぶいので太ももが隠れるミニで来たの、なんて言われたらガッカリするではないか。社会を混乱に陥れる。そういうことしたらアカンのである。
実際、新型クラブマンの実物は、MINIのかぶりモノを着た、MINIではない何かに私には見えた。フロントの造作は間延びしていて巨大ウーパールーパーかウナギイヌみたいだし、控えめな縦型からハデなLEDの横型のに変わったテールランプが目立つリアは、50~60年代の宇宙人かロボットの顔みたいだ。